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釣りの仕方を教える

育て方

算数という科目は、解法がわからないと解けませんから、
当然生徒が質問に来ることはあります。
でも、じっくり教えてあげることはあまりしません。

しかし、5年生のとあるお母様から言われました。
「前の塾では手取り足取り教えてもらったのに…」

保護者の皆様が、「わが子の面倒見」を最優先したいお気持ちは良くわかります。
集団塾であるが故、また、授業のコマ数が多いのもあり、物理的に事細かくみてあげるのが難しい時もあります。
申し訳ないですし、自分はもともと手取り足取り教えるのは嫌いではないのですが…

言い訳のようですけど、5年生のこの時期になると、手取り足取り教えすぎても問題が起こってしまうのも事実なんです。

■釣りの仕方を教える

古代中国の思想家老子の言葉で、

「子に魚を与えれば、一日で食べてしまうが、
釣りの仕方を教えれば、一生食べていけるようになる」

という言葉があります。

人から魚を食べさせてもらうことに慣れてしまった子供は、
いつまでも自分で魚を捕まえることができなくなります。
勉強でも同じ事が言えるのです。

低学年のうちは、手取り足取り教えてあげればいいのですが、
高学年になってからも、教える側がそうしていては、いつまで経っても、

『自分自身の学力を、自分で上げる』 ことができなくなります。
いわゆる「依存症」的になり、他人の密接な協力がないと、勉強のやる気さえ
湧いてこなくなってしまうのです。

たとえば、先生に
「この問題わかんない。」
と、質問に来ておきながら、講師が問題を見て考えている間に

「先生、早く解いてよ」
といったような余裕顔で、自分は別のことに気をとられて遊ぼうとする子もいます・・(ーー;)
こんな態度って、魚をもらって一時的に満足しているだけの子供と同じですよね。

ですので、その子が「釣りの仕方」を学ぶためにも、
解法のヒントや、類題が載っているテキストを指示したりして、

「あとは自分で調べてみなさい」
と、自ら解法を求める姿勢を持たせるほうが、先々その子のためになるのです。
全て教えてもらわないからこそ、自分で解いたときの喜びも一塩となり、定着もしていきます。

ちなみに、5年生くらいになると、概して優秀な子は質問にくる回数は極めて少ないです。
そういった子も最初から全ての問題が自力で解けていたわけではありません。
正しい解法をどうやったら自分で見つけ、理解できるかを身に着けていて、
「自分で釣りができる状態」になっているのでしょう。

もちろん質問をするのは悪い事ではありません。
むしろ、育てる側に、その子の先を見越して教えてあげる事が大切なんだと思っています。

 

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