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行く気がない学校を受ける

受験期

首都圏の受験生にとっては、あと100日を切りましたね。
模試の判定結果も出始め、受験校の併願のパターンも考えないといけない時期になりました。

私は基本的にはどの学校を受験するかはご家庭の方針に沿って受けたいところを受ければよいと思っています。

ただ、長く生徒たちと一緒に教えてきていると、やはりその子に受験を通して、「達成感を味わってほしい」と願わざるを得ません。

しかし、最初から「たかが中学受験なんだから、全部落ちたら公立へ行けばいい」という方針で連続でチャレンジされるご家庭もあるかと思います。

「行く気のない学校なんか、受ける必要がない。」
合理性を考えれば、ごもっともです。

チャレンジして見事合格すれば、「この上ない喜び」ですが、「合格」と「不合格」という天国と地獄の2択しかない本番の受験というものは、小さなお子さんにとって「危険と背中合わせ」ということも頭に入れておくべきでしょう。

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かつて、中学3年生でとても成績優秀な女の子の生徒がいました。

難関高校の模試でも偏差値が60台後半で、学校の内申も優秀。
だまってても普通に難関高校に合格して行くような生徒です。

ところが冬の模試で急に偏差値が55くらいに落ちました。

「どうしたの?試験当日気分でも悪かったの?」

彼女は泣き出しました。メソメソと1時間以上・・・
「受験が怖い」というのです。

彼女は、小6で中学受験をし、受けた学校全てが不合格だった経験の持ち主だったのです。

1月受験で不合格、2/1,2,3と連続して不合格。
4日目からは「もう受けたくない」といった状況でした。無理もありませんね・・

彼女は「達成感」を味わうことができずに、むしろ「挫折感がトラウマ」になってしまっていたのです。

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中学受験で志望校に受からなかったから、公立中学校に行く、という事は確かに残念なことかもしれません。

しかし、1つでも合格をとれば、この女の子のようにはなりません。

合格した学校が、たとえ行く気のない学校だったとしても、小学生の子供にとって、数年間の努力が『合格』という結果で一度でも認められれば嬉しいものです。

たとえ大人からすれば、余裕で受かるだろう、という学校であったとしても、です。

頑張れば認められる、という「達成感」を経験した子は、その後のつまづきがあったとしても、過去の達成感をバネにして、さらに頑張る事ができます。

最近は賢明なご家庭も多くなり、様々な資料から情報を得て、堅実な受験をされるご家庭も多くなりました。

「達成感」という人生で かけがいのない経験を得させるためにも、あらゆるパターンを想定しておくことが、大人側の役目かな、と思ってます。

 

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