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柔軟な思考力をつけるには

算数

今回は、実際の算数の出題から。
 先日授業で出題した問題です。
   
小学校3年生でもできる問題ですので、 
皆様も クイズ感覚で考えてみてください。

 【問題】
 
次の足し算のA~Iには0~9の10個の数字のうち、いずれかの数字が一つずつ入ります。
一つだけ使わない数字がありますが、それは何ですか?

    ABC
    DEF
  + GHI
  ――――
   2009

さて、お分かりになりましたか?
 
 
試行錯誤で数字を一生懸命当てはめていけば解けるかと思います。
 
まずは、一の位が9ですから、C+F+I=9になるので、
 
(C,F,I)=(0,1,8)or(0,2,7)or(0,3,6)or
                 (0,4,5)or(1,2,6)or(1,3,5)or(2,3,4)

と7通りの組み合わせが考えられて、0が入らないとするとこれが3通りになり、次に十の位のB+E+H=10になるので、その組み合わせが…
       
  …なんて考えて絞り込んで場合わけして使った数字を消していけば、大変だけど 一応答えが見つかりそう…(?)です。
  
  
    【答え】 7 です。

中学受験の問題って、めんどくさいなぁ…と改めて思われるかもしれませんね。
 
   (実際、面倒な問題は多いんですけど…(^_^;))
  
 
  
今回お伝えしたいのはそういうことではありません。
  
  
算数なんて、できるだけ簡潔に解答へたどり着けるのであれば、それに越した事がありません。
  
  
過半数の生徒が上記の”当てはめ”で解いたり、面倒だからあきらめたりする中で、クラスのN君は良い解法を見つけ出しました。
  
  
   【N君の解法】
  
   ABC
   DEF
  +GHI
  ――――
    2009

 一の位:C+F+I= 9
 十の位:B+E+H=10
 百の位:A+D+G=19
 ―――――――――――――
         合計38

  使わない数字は、45-38= 7
 
  【答え】 7

9つの数字の総和に着目すれば、こんなに簡単に正確に解けてしまいます。
 
  (B+E+H=20にはならないの?という意見もありましたが、次にA+D+G=19を作らないといけないので、それはありえないことはわかりますよね。)
 
 
良い解法を知っているか知らないかで、時間も短縮できるし、ミスも減らせるのです。

 
このように算数で要求される能力の一つとして、”問題解決のための柔軟な思考力”があります。
 
 
もちろん、”調べ上げていく根性”も時として必要なときもありますが、やはり学校側から求められている能力の中心は それではありません。
 
  “問題解決のための柔軟な思考力”は、将来にわたって有用な能力ですし。
 
 
そして、”問題解決のための柔軟な思考力”というのは、元から備えられているものではありません。
 
 
今までの経験の積み重ねと、それを応用する能力です。
 
 
 
 N君の解法は、かつて魔方陣の問題などで、9つの数の総和に着目して解くとラクだった、という経験から、それを今回の筆算に応用したに過ぎないのです。

 
 
 

 
まず大切なのは、
 
答えが出た、といって満足するのではなく、
 
 「もっと良い解き方がないかな?」
 
と、考えの幅を広げる努力をするかどうか
、だと思います。
 
 
もちろん塾の授業などで、自分の解き方と先生の解き方を比較してみて、
 
  「そういう解き方もあったんだなぁ」
 
と納得していく経験も、考えの幅を広げることにもなるでしょう。

 
さらに、様々な”少し考える問題”に触れる中で、今までの経験をフル活用させて”解く”経験を増やしていくことで、思考力が磨かれていきます。
 
間違えたり、試行錯誤を重ねながらも、
 「この問題は、こうやって解くと良いな。」
 
という解決した経験が積み重なって思考力を培っていくのです。
 
やはり算数は問題演習を繰り返すことが大切なんですね。
 
 
ご家庭で意識して力をつけさせるのは簡単ではない事かもしれませんが、普段の生活の中でも良い考え方をしていると感じたら、素直に褒めてあげるといいですよね。

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