親には言えない秘密

以前、最上位クラスに上がってきた生徒(M君)がいました。

通常は、最上位クラスに上がってきたのだから、頑張って付いてこようと前向きに取り組む子が殆どです。

でもM君は、ちょっと様子が変でした。

 

  ■最上位クラスに上がってきたのに…

授業を聞いている様子をみると、何だか集中出来ておらず、ついてくるのが大変のようでした。

私も、最初は

  (何だかやる気がない子だな…)

と感じていました。

確認テストなどの実力をみても、今まで下のクラスにいたとはいえ、最上位クラスに上がってきた実力の片鱗を感じるはずなんですが…

まったくその片鱗を感じません。

M君に色々と声をかけても、ボソボソとしか話さず、きちんとした会話が成り立ちにくい感じです。

でも、お母さんにそんなことを報告するわけにもいきません。
現状からみるこれからの改善点について報告しました。

お母さんによると、どうやらM君は家でもちょっとため息交じりの雰囲気のようでした。

お母さんは、最上位クラスのお子さんたちが仲の良いグループが出来ているので、その仲間に入れていないことを心配していました。

「もうグループができてしまっているので、馴染めないでいるんじゃないでしょうか…
本当は、元気な子なんですが…」

確かに、M君は、自分から他のクラスメイトに話しかけることはせず、いつもじっと黙っています。

途中から上のクラスに上がってきた子は、最初は様子を伺っているので、そうなってしまうことが多いのですが、一緒に授業を受けていくうちに段々と馴染んでくるものです。

私も、

(繊細な子だから、馴染めないのに不安を感じているのかな…)

とも思いました。

しかし、本当の原因は、別のところにあったのです。

  ■勉強の仕方が…

それは、最上位クラスに来て、数回後のM君の宿題をチェックしている時に気付きました。

最初は、算数の途中式や図がなかなか書けない子だな…と思っていたのですが、計算はそこそこできるようでした。しかし、文章題の単元になって、M君の根本的な問題点が判明したのです。

それは、分からない問題は【解答を写して終わりにしている】という現実でした。

今までの4年生・5年生は、答えを写して、宿題をやっているように見せかけて、親や講師の目を誤魔化すことに成功していたんだと思います。

そうなると、すっかり【誤魔化すことが日常化】してしまいます。

自分の頭で考えることが面倒になり、【その場しのぎ】で何とか乗り越えてきたのです。

お母さんから「宿題やったの?」
と聞かれても、「ちゃんとやってるよ」

と返答すれば、それ以上は追求されません。

実際、お母さんに尋ねても、ちゃんと宿題をやっていると思い込んでいらっしゃいました。

しかし、中学受験の学習は、そんな付け焼刃でうまくいくはずがありません。

M君としては、最上位クラスに上がってきて、周りのみんながしっかり授業内容を理解し、宿題をやってきている中に入ってきてしまいました。

今まで自分が誤魔化してやってきた勉強では太刀打ちできないことを感じ、困惑していたのです。

本当は、下のクラスに戻りたい気持ちなのに、お母さんが最上位クラスに上がった事をとても喜んでいるので、まだ次のクラス替えテストを受けていないうちから、
【「下のクラスに戻りたい」なんて、とても言えなかった】のです。

だから、授業にも身が入らず、気持ちもドンヨリしていたのです。

  ■現実を受け入れるところから

私はM君に、今までの勉強方法が間違っていたが故に、困っていることを見抜いていることを話しました。

もしかしたら、最上位クラスに上がってくるキッカケになったクラス分けテストも、何か不正を行なって、良い点が獲れたのではないか、とも。
(本人は否定しませんでしたね…(+_+;))

全てを見抜いた上で、

 

「自分のためにならないから、もう二度と答えを写してその場しのぎ、なんていう勉強はするな。
分からないことは、質問に来ること。」

と話し、原状できていない部分を授業後に補習を行ないました。

  ■ようやく前向きに

補習をしてみると、単元によっては小学4年生で習っていることが全くできていません。

「つるかめ算が、ぜんぜん分からないです」
なんてことを、今になって話し出します。
逆算の正しい計算もできません。

過去の学習を、【答えを写す】というその場しのぎの学習で切り抜けて、自分自身で全く理解していなかったことが良く分かります。

これでは、最上位クラスについて来れないのは当たり前ですね。

本人のレベルに立って、小4に教えるように補習したことで理解が進んだのか、ようやく本人も前向きになってきました。

その後は自分から質問もしてくるようになりました。

  ■アナタのお子さんは大丈夫ですか?

さて、M君のようなケースは、実は初めてではありません。
子供にとって、大人の目を誤魔化そうと思うことは、当たり前の日常なんですね。

【答えを写したり、カンニングをする、という行為は、面倒な宿題を早く完成させて、テストの得点ばかり気にする親を安心させる常套手段】なんです。

ただ、残念ながら自分の実力は付かないばかりか、いつの間にか勉強に付いていけなくなって、考えることが益々つらくなって、成績が落ちていく、という結果を招きます。

そうならないためにも、特に悪知恵のつく小4、小5のうちは、定期健診のように、カンニング調査をしないといけないかもしれませんね。

 

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