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中学受験に克つ│最後までやり切る!

塾講師の本音

今年の中学受験も収束してきましたね。

合格したご家庭は本当におめでとうございます。

残念だったご家庭には、これをバネにして今後の飛躍に繋がることをお祈り申し上げます。

 

さて、今年の受験において、あるご家庭の結果を聞きました。

主人公をK君としておきましょう。

K君は物静かでクラスでもあまり目立たない子でした。

最上位のクラスから2番手クラスに下がってしまうこともあり、何とか最後は最上位クラスに残って頑張っていた子です。

実力十分とは言えません。

でも、コツコツ頑張るところがK君の良いところでした。

 

第一志望はA中学。

有名で人気のある学校です。

A中学目指してずっと頑張ってきました。

 

1月の受験は力試しにR中学を受けました。

 

結果は、残念ながら補欠。

補欠なので、合格とは言えません。

周囲では1月に合格して喜んでいる子達の話も聞こえてきます。  できれば、1月に合格をとって、景気良く本番を迎えたかったですが、仕方ありません。

でも、目標は2月の首都圏受験ですから、そこに向かって頑張り続けました。

 

今日は、第一志望のA中学と、もう一つ押さえの学校のD中学の午後受験もあります。

忙しいですが、やるだけやりました。

 

午後受験の学校(D中学)が夜に先に結果が分かります。

D中は、押さえ校なので、普通に合格する、、、

はずでした。

 

結果:D中学 ×

 

K君の家庭に大きな動揺が起こりました。

 

2日の受験は、B中とC中の2箇所の学校にダブル出願していて、実は1日の午後受験の結果次第でどちらにするか決める予定でした。

 

1日午後受験D中の結果が○だったら、偏差値の高い方の学校(B中学)を受ける予定でしたが、もし×だったら、偏差値が低い方の学校(C中学)を受験してくださいと、塾の担当講師にも言われていました。

でも、いざ、予定外の結果が出てしまうと、悩むものです。

 

結局、C中学はもう一度受験する機会がある、ということで、思い切って2日はB中学を受験することになりました。

 

2日は、午前中に第一志望のA中学の結果と、夜にB中学の結果が出ます。

 

  結果:A中学 ×

 

 そして夜:B中学 ×

 

1日に続き、つらい結果となりました。

第一志望も第二志望もダメ。

押えの学校も合格をもらえない。

 

いつもは物静かなK君も、その晩は泣きました。

お母さんも、泣きました。

 

この日は、もう一度A中学の2回目の試験がありました。

3日のA中は、1日に御三家中を受けたような優秀な子達もA中に受験しに来ます。

 

でも、K君はA中合格のためにしっかり対策してきたのだから、チャレンジする機会が2度もある、というチャンスを逃すわけにはいけません。

 

絶望的な気持ちを振り払い、厳しい受験だけど、もうやるしかありません。

K君も力を出し切りました。

 

ここまでで、一度も合格がもらえていないK君。

 

塾に立ち寄ったときには、すでに第一志望に合格していて受験が終わって喜んでいるような子達は、何を言わなくても雰囲気で感じます。

正直、もう受験したくない気持ちもありますが、この日はC中学の受験がありました。

 C中学の結果は、明日分かりますが、この日の午前中にもう一つ、第一志望のA中学2回目の結果発表があります。

 

C中学の受験を終えて、かすかな希望を胸に抱き、A中学2回目の結果を見に行きました。

 

  結果:A中学2回目 ×

 

散々に打ちのめされた結果となりました。

 

 K君としては、色んな慰めの言葉も、励ましの言葉も耳に残らないような心境でした。

 

  「もう、受験したくない」  

そんな気持ちでいっぱいでした…

 

でも、塾の先生から言われてきた、

  『最後までやり切る』

 

そんな言葉を思い出して、つらい気持ちを引きずりながら明日の受験に臨むことになります。

 

通常5日の受験というのは、今まで押えの学校が合格していて、最後に【再チャレンジ】する受験という意味合いで挑むパターンが望ましいのですが、K君の場合はそういうわけには行きませんでした。

 この日はE中学の受験に行きました。

 もう、高望みではなく、合格できそうな学校です。

 

 E中学の受験を終え、昨日受験したC中学の結果を見に行きました。

 

  結果:C中学 ○!!

 

 K君は初めて合格がもらえました。

 

ようやくホッと一安心できました。

つらい受験ではありましたが、何とか本番5日目にして、ようやく合格をつかむことができたのです。

でも、同じクラスにいた周囲の子達の合格実績を知れば知るほど、決して良い結果に終わった受験とは言えませんでしたし、親としても色んな点で悔いの残る結果に終わってしまいました。

 

5日に受験したE中学の合格もとれました。

 

同じクラスでは、5日まで受験を頑張ったのはK君だけでした。

みんな早い段階で合格を取って、終えていたのです。

 

最後まで歯を食いしばってやりきったK君。

 

そんなK君の頑張りが、通じたのか?

 

K君の家に、ある学校から連絡がありました。

 

1月受験で補欠だったR中から?

 

違います。

 

電話は、第一志望だったA中学からです。

 

結果:A中学に繰り上げ合格!!◎

 

あまりの驚きと喜びに、お母さんも泣きながら塾に連絡しました。

 

本当につらい受験でしたが、最後に神様がプレゼントをくれたかのようです。

 

波乱万丈の中学受験。

K君は、全く期待もしていなかった繰上げ合格で、第一志望だったA中学に通えることになりました。

 

なんだか、一昔前のドラマのような話ですが、実際にこんなことが起こってしまったのです。

 

やっぱり、受験って最後まで分かりませんね。

 

もちろん、こんなドラマのような展開になるのは稀なケースなんでしょうけど、【あきらめずに最後までやり切る】ことで、得られることって色々あるんだろうと思います。

受験結果はどうであれ、中学受験を良い経験として、今後も大きく成長していって欲しいですね。

 

これから受験の方はもちろん、先輩たちの頑張りを教訓にして、本番に向けてぐんぐん成長していってもらいたいです。

 

中学受験に克つ

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