私が教えている塾は、どちらかというと割と大きい方です。 小5の受験クラスが3クラスあります。 (そんなに大きくないですかね(笑))
各クラス15~20名ほどです。 私は現在中位と下位のクラスを担当しています。 7月に、夏期講習会のクラスを振り分けるとき、ある男の子の生徒の処遇を考えていました。
国語はできるのだが、算数は全然できない。 文型タイプです。 正直、夏から下位クラスを考えていましたが、本人が何とか中位クラスに残りたいということもあり、夏期は様子を見るということで、中位クラスに残ってもらいました。 しかし、それが、悪かったのかもしれません・・・
中位クラスの算数の授業に、その子だけついて来れない。 授業後質問にきたりもするし、本人なりに頑張っているようだが、授業の途中からついていけなくなり、分からないところだらけになっているというのです。
このままでは、このクラスにいても、分からないところだらけになってしまうと感じました。 そこで、通常ではテストの結果でクラス移動を決めるのですが、早めの方がその子にとっていいのではないかと思えて、 講習会終了後、本人に下のクラスに移動したほうがいいのではないかと告げました。
これは、あくまでも本人の学力がこのままこのクラスでいることを心配しての事です。 下位クラスも私が担当しているので、正確な判断ができます。
下位クラスでは、もっと授業スピードを下げて、丁寧に解説し、しかも基本を繰り返して、定着を重視しています。
5月に算数が原因で下位クラスにきた生徒がいますが、今ではその男の子より、点数を取ります。 故に、その子の面倒がみられないから下のクラスに落とすというわけではなく、あくまでも本人のためを思って話をしました。
本人は、悩んでいた様子でしたが、下のクラスには行きたくなかったようです。 家に帰ってから、泣いていたとのことでした。
さて、事情の説明を受けて、保護者のあなたなら、お子さんにどうされますか?
担当に文句をいいますか? 絶対にクラスを落とすなとか(笑)
この塾は合っていないといって、別の塾へ転塾しますかね。
受験を甘く見ないで頂ければと思います。
点数が取れなければ、落とされる。当り前の事ですよね。
入試で、たとえ無理に自分の学力以上の学校へ奇跡的に入れたとしても、その後の学園生活は、その子にとってつらいものとなるでしょう。
算数では、基礎の徹底は欠かせません。 基礎力がない子は、厳しいです。
テストの点数が悪かったり、クラスが落ちたりしたときこそ、親御さんの対処の仕方によって、 それをその子が成長する機会となるか、それともダメにしてしまうかの大きな瀬戸際の時になるかと思います。
受験が終われば塾のクラスなんて関係なくなります。
むしろ、上位のクラスの子よりも、下位のクラスの子が受験で良い結果を残すと周囲からとても称賛されます。
良きも悪しきも結果がすべての世界ですが、良い結果を出すためにも自分の能力をより効果的に伸ばせる環境での日頃の努力を応援したいところです。