子どものやる気を生む「ドーパミン」の力とは?
脳科学の研究によると、人が「うれしい」「楽しい」と感じるとき、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。これは「やる気ホルモン」とも呼ばれ、勉強や努力を続けるために非常に大切な役割を果たしています。
実は、子どもがドーパミンを多く分泌する瞬間のひとつが、「親や信頼している人から褒められたとき」なのです。
つまり、お母さんやお父さんからの「よく頑張ったね!」「昨日より進んだね!」といった一言が、子どもの脳を刺激し、勉強に対する前向きな気持ちを引き出してくれるのです。
「褒められた行動を繰り返す」脳のメカニズム
ドーパミンが分泌されると、人はそのときの「快感」を再び得ようとして、同じ行動を繰り返そうとします。
つまり、褒めることで“良い行動”が習慣化されるというわけです。
中学受験勉強でいえば、次のような流れが生まれます。
| 褒められた内容 | 子どもの脳の反応 | 結果として現れる行動 |
|---|---|---|
| 「宿題を忘れずにやれたね!」 | ドーパミンが分泌され喜びを感じる | 翌日も自ら宿題に取りかかる |
| 「昨日より早く問題が解けたね!」 | 成功体験として記憶される | スピードアップを意識して学習する |
| 「難しい問題に挑戦したね」 | 脳が達成感を覚える | 新しい問題にも前向きに取り組む |
このように、親のたった一言が子どもの学習サイクルを好循環に導きます。
逆に「なんでできないの?」「また間違えたの?」と否定的な言葉をかけてしまうと、ドーパミンの分泌が抑えられ、意欲が低下してしまうこともあります。
「努力を褒める」ことが継続のカギ
ここで大切なのは、「結果」だけでなく「過程(努力)」を褒めることです。
テストの点数が悪くても、「間違いを見直してえらいね」「前回より勉強時間が増えたね」といったように、努力の過程を認めてあげることで、子どもは「自分は成長している」と実感できます。
また、褒める頻度も重要です。毎回大げさに褒めるのではなく、日常の中で小さな達成を見つけて短く言葉にするのがポイントです。

今回の記事のまとめ
- 褒められると脳内でドーパミンが分泌され、やる気がアップする
- 「親や信頼している人の言葉」は特に強い効果を持つ
- 結果ではなく「努力」や「過程」を褒めることが継続につながる
- 小さな成功を言葉にして伝える習慣をつけよう

お子さんの中学受験は長い道のりですが、親の一言が子どもの頑張りを支える大きな力になるものです。
今日からぜひ、「頑張ってる姿」を見つけて、笑顔で褒めてあげてください。

