塾講師の本音

進学塾の現場で感じた塾講師の本音が語られています。

中学受験に克つ│最後までやり切る!

今年の中学受験も収束してきましたね。

合格したご家庭は本当におめでとうございます。

残念だったご家庭には、これをバネにして今後の飛躍に繋がることをお祈り申し上げます。

 

さて、今年の受験において、あるご家庭の結果を聞きました。

主人公をK君としておきましょう。

K君は物静かでクラスでもあまり目立たない子でした。

最上位のクラスから2番手クラスに下がってしまうこともあり、何とか最後は最上位クラスに残って頑張っていた子です。

実力十分とは言えません。

でも、コツコツ頑張るところがK君の良いところでした。

 

第一志望はA中学。

有名で人気のある学校です。

A中学目指してずっと頑張ってきました。

 

1月の受験は力試しにR中学を受けました。

 

結果は、残念ながら補欠。

補欠なので、合格とは言えません。

周囲では1月に合格して喜んでいる子達の話も聞こえてきます。  できれば、1月に合格をとって、景気良く本番を迎えたかったですが、仕方ありません。

でも、目標は2月の首都圏受験ですから、そこに向かって頑張り続けました。

 

今日は、第一志望のA中学と、もう一つ押さえの学校のD中学の午後受験もあります。

忙しいですが、やるだけやりました。

 

午後受験の学校(D中学)が夜に先に結果が分かります。

D中は、押さえ校なので、普通に合格する、、、

はずでした。

 

結果:D中学 ×

 

K君の家庭に大きな動揺が起こりました。

 

2日の受験は、B中とC中の2箇所の学校にダブル出願していて、実は1日の午後受験の結果次第でどちらにするか決める予定でした。

 

1日午後受験D中の結果が○だったら、偏差値の高い方の学校(B中学)を受ける予定でしたが、もし×だったら、偏差値が低い方の学校(C中学)を受験してくださいと、塾の担当講師にも言われていました。

でも、いざ、予定外の結果が出てしまうと、悩むものです。

 

結局、C中学はもう一度受験する機会がある、ということで、思い切って2日はB中学を受験することになりました。

 

2日は、午前中に第一志望のA中学の結果と、夜にB中学の結果が出ます。

 

  結果:A中学 ×

 

 そして夜:B中学 ×

 

1日に続き、つらい結果となりました。

第一志望も第二志望もダメ。

押えの学校も合格をもらえない。

 

いつもは物静かなK君も、その晩は泣きました。

お母さんも、泣きました。

 

この日は、もう一度A中学の2回目の試験がありました。

3日のA中は、1日に御三家中を受けたような優秀な子達もA中に受験しに来ます。

 

でも、K君はA中合格のためにしっかり対策してきたのだから、チャレンジする機会が2度もある、というチャンスを逃すわけにはいけません。

 

絶望的な気持ちを振り払い、厳しい受験だけど、もうやるしかありません。

K君も力を出し切りました。

 

ここまでで、一度も合格がもらえていないK君。

 

塾に立ち寄ったときには、すでに第一志望に合格していて受験が終わって喜んでいるような子達は、何を言わなくても雰囲気で感じます。

正直、もう受験したくない気持ちもありますが、この日はC中学の受験がありました。

 C中学の結果は、明日分かりますが、この日の午前中にもう一つ、第一志望のA中学2回目の結果発表があります。

 

C中学の受験を終えて、かすかな希望を胸に抱き、A中学2回目の結果を見に行きました。

 

  結果:A中学2回目 ×

 

散々に打ちのめされた結果となりました。

 

 K君としては、色んな慰めの言葉も、励ましの言葉も耳に残らないような心境でした。

 

  「もう、受験したくない」  

そんな気持ちでいっぱいでした…

 

でも、塾の先生から言われてきた、

  『最後までやり切る』

 

そんな言葉を思い出して、つらい気持ちを引きずりながら明日の受験に臨むことになります。

 

通常5日の受験というのは、今まで押えの学校が合格していて、最後に【再チャレンジ】する受験という意味合いで挑むパターンが望ましいのですが、K君の場合はそういうわけには行きませんでした。

 この日はE中学の受験に行きました。

 もう、高望みではなく、合格できそうな学校です。

 

 E中学の受験を終え、昨日受験したC中学の結果を見に行きました。

 

  結果:C中学 ○!!

 

 K君は初めて合格がもらえました。

 

ようやくホッと一安心できました。

つらい受験ではありましたが、何とか本番5日目にして、ようやく合格をつかむことができたのです。

でも、同じクラスにいた周囲の子達の合格実績を知れば知るほど、決して良い結果に終わった受験とは言えませんでしたし、親としても色んな点で悔いの残る結果に終わってしまいました。

 

5日に受験したE中学の合格もとれました。

 

同じクラスでは、5日まで受験を頑張ったのはK君だけでした。

みんな早い段階で合格を取って、終えていたのです。

 

最後まで歯を食いしばってやりきったK君。

 

そんなK君の頑張りが、通じたのか?

 

K君の家に、ある学校から連絡がありました。

 

1月受験で補欠だったR中から?

 

違います。

 

電話は、第一志望だったA中学からです。

 

結果:A中学に繰り上げ合格!!◎

 

あまりの驚きと喜びに、お母さんも泣きながら塾に連絡しました。

 

本当につらい受験でしたが、最後に神様がプレゼントをくれたかのようです。

 

波乱万丈の中学受験。

K君は、全く期待もしていなかった繰上げ合格で、第一志望だったA中学に通えることになりました。

 

なんだか、一昔前のドラマのような話ですが、実際にこんなことが起こってしまったのです。

 

やっぱり、受験って最後まで分かりませんね。

 

もちろん、こんなドラマのような展開になるのは稀なケースなんでしょうけど、【あきらめずに最後までやり切る】ことで、得られることって色々あるんだろうと思います。

受験結果はどうであれ、中学受験を良い経験として、今後も大きく成長していって欲しいですね。

 

これから受験の方はもちろん、先輩たちの頑張りを教訓にして、本番に向けてぐんぐん成長していってもらいたいです。

 

中学受験に克つ

新年の抱負

2015年、新年明けましておめでとうございます。

受験生にとっては、お正月はのんびり、という雰囲気になかなかなりにくいですよね。

正月くらい勉強はしたくはない、とのことで、気晴らししている子もいるかもしれませんが、塾の正月特訓に参加するのが当たり前、という塾も多いはず。

本当の気晴らしは、受験が終わってからになりますので、最後の詰めをやっておいた方が悔いが残らないかもしれません。

いずれにしても、新年の始めですから、気持ちを新たにして取り組みたいものですね。

第一志望合格への決意を新たにしつつ、中学校に行ったらやりたいことなんかも改めて考えてみると、受験という壁を乗り越える力にもなると思います。

受験を乗り越えて、一回り大きく成長される良い年となるようお祈り申し上げます。

ちなみに、個人的には、受験生の気持ちを自ら体感する意味も込めまして、今年中に何かしらの資格を取ろうと思っています。

忙しくて大変ではあるのですが、限られた人生です。

常に何かにチャレンジしてみることって、大切ですよね…(((^_^;)

まずは皆さんの中学受験の成功をお祈り申し上げます。

運転するのは君なんだよ

カーナビ
先日、久しぶりにドライブに行きました。
 
 改めて思いましたが、カーナビって便利ですよね。

 

目的地までの最短経路を示してくれて、ちゃんと曲がり角が近づくと声で知らせてくれます。

 

最近は渋滞の情報まで教えてくれたりしますね。

 

たまに、電波が届かなくて止まったり、海の上を走ったりすることもあるけど、それはご愛嬌(笑)

 

基本的には、カーナビの示すとおりに進むことで、無事目的地まで効果的に到着することができます。

 

 

さて、塾で指導していると、どうしてもなかなか自分でやれない子、言うとおりにできない子、っているものです。

 

たとえば、宿題をやってこない子。

いくら分かりやすくメリットとデメリットを言っても、やりきれない子もいます…(^_^;)

 

誤魔化して別のノートを提出しようとする子も(苦笑)

 

それから、宿題を提出するけど、中身は全て答えを写している子。

 

これも、いくら言っても写すのがクセになってしまっていて、自分で考えることから、逃げてしまっているようです。

 

宿題を毎回きちんとやることが、合格への効果的な近道なのですが…

 

 

これらを改善するには、個別にみてあげて、一緒にやってあげて、さらに習慣化されるまである程度の期間が必要になることでしょう。

 

強制的に居残りさせるなど、ペナルティを科す方法もありますが、口で言うだけでは、なかなか改善しにくい傾向があるようです。

 

強制的な、スパルタ指導が好まれない現代、集団授業の講師の力だけでは、ある程度の限界があるのかもしれませんね。

 

 

 

さて、ここで考えて見ますと…

塾の講師は、所詮カーナビに過ぎないのかな、と。

 

カーナビを上手く利用してもらえば、効果的に目的地にたどり着くことができます。

 

でも、カーナビは飽くまで道を教えてくれるだけで、運転するのは自分ですよね。

 

カーナビがうるさいと、カーナビを消して、運転を止めることも簡単にできます。

 

カーナビが示す方向とは別の方向に行ったり、寄り道することも簡単にできます。

 

でも結果的に、目的地に到着するのが遅れてしまうだけかもしれませんよね。

 

子供たちに言います。

 

 「先生たちは、カーナビと同じ。

  合格するための道筋を教えるよ。

  

  でも、運転するのは君なんだよ。」

低学年対策:答えを切り取る

ハサミと切り取り線

新学期になり、新たなクラスの宿題ノートを見ていて、改めて思ったことですが…

これ、どう考えても答え写しているだけだな、っていう宿題のやり方をする子が「多々」いました…(^_^;)
特に低学年のうちは、放っておくと、みんなそうなっちゃう可能性が高いんですね…(^_^;)

低学年の習慣は、意外と恐ろしいもので、子供たちが、

(宿題なんて、答えを写して適当に○をつけて、『宿題ちゃんとやったよ』って親や先生に言えば大丈夫だ…)

なんていうように考えるようになったら、大変です。
その子の成績は、上がらないどころか、ドンドン下がっていくでしょう。

私は定期的に健康診断のように、生徒たちにその話をしています。
それくらい、「答えを写す」っていう誘惑は大きいんですよね…(^_^;)

中学受験で勝利するためには、当たり前ですが、家庭学習を正しい方法でキチンとこなすようにしていかなければなりません。

1.自力で解く
     ↓
2.丸付けをする
     ↓
3.間違えなおしを丁寧にやる

という基本的な家庭学習の習慣をつけていきましょう。

 

特に受験勉強に取り組み始めて間もないうちから、家庭学習の正しいやり方を身につけてもらうために、上記の2.と3.は保護者の方が面倒を観てあげたほうが良い場合が多いと思います。

そのために、あらかじめ宿題用の問題集の解答は切り取って、親が管理しておくとよいでしょう。

○本人に宿題の範囲を解かせて、終わったら持ってこさせる

○キチンと自分の力で解いていることを確認してから、解答を渡す。
(最初の頃は、保護者の方が丸付けをしてあげてもよいでしょう)

○自分の力で解けている部分を大いに褒めてあげる
(↑これ大事です。)

○間違えたところは、ただ赤ペンで答えを書くだけではなく、どこにミスがあったのか?正しいやり方はどうなのかを調べさせる。
(最初の頃は、一緒に考えてあげましょう)

 

キチンと家庭学習をすることによって、自分の力で解ける問題が増えてくると成績も伸びて本人もうれしい気持ちになってくるはず。

そのことを理解してくれば、だんだん自分の力で家庭学習をさせていくためにも解答を本人に渡しても大丈夫になってきます。

でも、遊び盛りの子供にそのことをしつけていくのは短期間では難しいです。
時間をかけてじっくり家庭学習の大切さを教えてあげましょう。

お試し受験で失敗

不合格

関東圏も受験が始まりましたね。

今回は、最近人気の埼玉県栄東中の入試結果から思うところを書いてみました。

埼玉県では栄東中(A日程)が、なんと5000人を越える受験者(@_@)

さすがに5000人越えは見たことがなかったので、ちょっとビックリでした。

採点、大変だったでしょうね…
マークシートにしたほういいかも(苦笑)
(→皮肉を込めた冗談ですよ)

 

案の定、発表時間が1時間遅れ、発表時間の23時頃にはアクセスが集中して、全然繋がらず…

5000人がアクセスしてるんだろうから、そりゃ繋がらなくもなりますよね…笑

 

しかも、A日程を受けたのに、東大選抜コースに繰り上がり合格者も多数…

ということは…

今回、東大選抜コースの合格ラインが高くなりました。
昨年の合格者は、2477人中、1655人。(1.49倍)
今年の合格者は、2585人中、1104人。(2.34倍)

 

合格者は、550名も減りました。

残念ながら、私の教え子からも早々に涙を流した子を出してしまいました。

若干12歳の小学生にとって、「不合格」という経験はとても残酷です。

特に、遊びたいのをガマンして一生懸命勉強してきた子にとって、それはそれは「ショックな体験」です。

 

しかしながら、東京、神奈川の受験者にとっては1月の埼玉や千葉の受験は「お試し受験」です。

 

受験当日の緊張感を体感することで、「本番の雰囲気に慣れる」ことが第一目的。

そして、できれば「合格」の味も体感させてあげたいところですね。

 

でも、お試し受験で合格したらしたで、気を抜いてしまう子も多いです。

気を抜いて、2月の本番で失敗してしまっては元も子もありません。

大切なのは、つらいことが起きたときに、プラスの発想をすることです。

私は、今回お試し受験で失敗した生徒に

「本当にいい経験したね」と話しました。

そうです。

 本番ではないお試し受験で
 「不合格の”体験”もできた」のです。

受けさせた子は、実力のない子ではありません。

「本番で、こんなつらい思いをしたくないでしょ。
でも、今日は本番ではないよね。

だから、お試し受験で受かった人よりも、強い気持ちで本番を受けることができる。

 油断のない気持ちで、本番を受けることができる。

 

 この失敗の経験を本番に活かすことができる。

この悔しさをバネにして、本番で笑顔になろうよ。」

 

面談しながら泣いていたその生徒は、段々と落ち着いてきたようです。

そして、顔つきも変わってきました。

「はい!!」

どうやら、気持ちの切替えは上手くいったようです。

 残酷と思える受験結果。

でも、こういう体験が子供たちを成長させていくのだと改めて感じました。

後は本番まで、突っ走るのみですね。

親には言えない秘密

以前、最上位クラスに上がってきた生徒(M君)がいました。

通常は、最上位クラスに上がってきたのだから、頑張って付いてこようと前向きに取り組む子が殆どです。

でもM君は、ちょっと様子が変でした。

 

  ■最上位クラスに上がってきたのに…

授業を聞いている様子をみると、何だか集中出来ておらず、ついてくるのが大変のようでした。

私も、最初は

  (何だかやる気がない子だな…)

と感じていました。

確認テストなどの実力をみても、今まで下のクラスにいたとはいえ、最上位クラスに上がってきた実力の片鱗を感じるはずなんですが…

まったくその片鱗を感じません。

M君に色々と声をかけても、ボソボソとしか話さず、きちんとした会話が成り立ちにくい感じです。

でも、お母さんにそんなことを報告するわけにもいきません。
現状からみるこれからの改善点について報告しました。

お母さんによると、どうやらM君は家でもちょっとため息交じりの雰囲気のようでした。

お母さんは、最上位クラスのお子さんたちが仲の良いグループが出来ているので、その仲間に入れていないことを心配していました。

「もうグループができてしまっているので、馴染めないでいるんじゃないでしょうか…
本当は、元気な子なんですが…」

確かに、M君は、自分から他のクラスメイトに話しかけることはせず、いつもじっと黙っています。

途中から上のクラスに上がってきた子は、最初は様子を伺っているので、そうなってしまうことが多いのですが、一緒に授業を受けていくうちに段々と馴染んでくるものです。

私も、

(繊細な子だから、馴染めないのに不安を感じているのかな…)

とも思いました。

しかし、本当の原因は、別のところにあったのです。

  ■勉強の仕方が…

それは、最上位クラスに来て、数回後のM君の宿題をチェックしている時に気付きました。

最初は、算数の途中式や図がなかなか書けない子だな…と思っていたのですが、計算はそこそこできるようでした。しかし、文章題の単元になって、M君の根本的な問題点が判明したのです。

それは、分からない問題は【解答を写して終わりにしている】という現実でした。

今までの4年生・5年生は、答えを写して、宿題をやっているように見せかけて、親や講師の目を誤魔化すことに成功していたんだと思います。

そうなると、すっかり【誤魔化すことが日常化】してしまいます。

自分の頭で考えることが面倒になり、【その場しのぎ】で何とか乗り越えてきたのです。

お母さんから「宿題やったの?」
と聞かれても、「ちゃんとやってるよ」

と返答すれば、それ以上は追求されません。

実際、お母さんに尋ねても、ちゃんと宿題をやっていると思い込んでいらっしゃいました。

しかし、中学受験の学習は、そんな付け焼刃でうまくいくはずがありません。

M君としては、最上位クラスに上がってきて、周りのみんながしっかり授業内容を理解し、宿題をやってきている中に入ってきてしまいました。

今まで自分が誤魔化してやってきた勉強では太刀打ちできないことを感じ、困惑していたのです。

本当は、下のクラスに戻りたい気持ちなのに、お母さんが最上位クラスに上がった事をとても喜んでいるので、まだ次のクラス替えテストを受けていないうちから、
【「下のクラスに戻りたい」なんて、とても言えなかった】のです。

だから、授業にも身が入らず、気持ちもドンヨリしていたのです。

  ■現実を受け入れるところから

私はM君に、今までの勉強方法が間違っていたが故に、困っていることを見抜いていることを話しました。

もしかしたら、最上位クラスに上がってくるキッカケになったクラス分けテストも、何か不正を行なって、良い点が獲れたのではないか、とも。
(本人は否定しませんでしたね…(+_+;))

全てを見抜いた上で、

 

「自分のためにならないから、もう二度と答えを写してその場しのぎ、なんていう勉強はするな。
分からないことは、質問に来ること。」

と話し、原状できていない部分を授業後に補習を行ないました。

  ■ようやく前向きに

補習をしてみると、単元によっては小学4年生で習っていることが全くできていません。

「つるかめ算が、ぜんぜん分からないです」
なんてことを、今になって話し出します。
逆算の正しい計算もできません。

過去の学習を、【答えを写す】というその場しのぎの学習で切り抜けて、自分自身で全く理解していなかったことが良く分かります。

これでは、最上位クラスについて来れないのは当たり前ですね。

本人のレベルに立って、小4に教えるように補習したことで理解が進んだのか、ようやく本人も前向きになってきました。

その後は自分から質問もしてくるようになりました。

  ■アナタのお子さんは大丈夫ですか?

さて、M君のようなケースは、実は初めてではありません。
子供にとって、大人の目を誤魔化そうと思うことは、当たり前の日常なんですね。

【答えを写したり、カンニングをする、という行為は、面倒な宿題を早く完成させて、テストの得点ばかり気にする親を安心させる常套手段】なんです。

ただ、残念ながら自分の実力は付かないばかりか、いつの間にか勉強に付いていけなくなって、考えることが益々つらくなって、成績が落ちていく、という結果を招きます。

そうならないためにも、特に悪知恵のつく小4、小5のうちは、定期健診のように、カンニング調査をしないといけないかもしれませんね。

 

なるべく自力で解かせる

自転車の練習をする親子

積極的に分からないところを分かろうと解決することは素晴らしいことです。
ですので、積極的に先生に質問に行く子は、ふつうは学力も伸びていきます。

今回は、「でもね…」っていうお話です。

■ 自分で解けた、という経験を積ませたい

最上位クラスを長く担当していますが、実は出来る子ほど質問に来ません。
自宅に優秀なお兄さん・お姉さんがいるから、というわけでもないようです。

一度も算数の質問に来たことはないけど、御三家中学に合格したっていうような子が、
実は多いのです。

プライドもあるのかもしれませんし、ある程度の問題は解けるから、ということもあるのでしょうが、そういう子達の能力で感じるのは…

○解答解説を読んだら、自分で理解できる。

という力量を持っていることです。

大人であれば、多くは解答解説があれば理解できるでしょう。
ところが、成績の伸びない子の傾向として、

「解説を読んでもわからない。理解できない」

という子が結構多いのです。

それでも、質問して理解しようという姿勢の子はいいのですが、ややもすると、
自分で理解しようとする力が育たなくなる、という危険性もあります。

先日、6年生のA君が算数の質問に来ました。
(最上位クラス生ではありません)

「先生、この3問がわからないです。」

問題集のレベルは標準程度。問題は文章題(ニュートン算)です。
確かにちょっとだけレベルが高めですが、テキストの後半の例題に出てくるようなレベルの問題。
問題集の解答解説も持っているはずです。

私は、問題のレベルを見極めると、すぐにやり方を教えないようにしています。
(イジワルですね~(((^_^;))

「この3問、全部先生に解かせようとするつもり?
そもそも、何も手をつけてないじゃない。
この文章題は、ニュートン算だって分かるよね。
ニュートン算って、いつも最初に何をするの?」

「線分図を描きます。」

「そうだね。じゃぁまず、文章読んで線分図を自分で書いてきな。」

「・・・は~い」

ちょっとあてが外れたような、いぶかしげな顔で戻っていったA君でしたが、
20分後、さりげなくやってきたA君が言いました。

「先生、あの問題自力で解けました!」

ちょっと嬉しそうな笑顔から、それが嘘ではないことが分かります。

恐らく、講師が一から全部教えるよりも、試行錯誤して自分の力で解ききった、
という経験の方が、A君の実力向上にはプラスになっただろうと思います。

「その子のために魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」
という有名な言葉もありますが、全くその通りですよね。

例え、自力で解けなかったとしても、もう高学年であれば、
解説を読んで理解できる読解力と分析力をも育てなければなりません。

お子さんによっては、解説の読み方から教えないといけない子もいるかもしれません。

「あ~、そっかぁ!なるほど~」

という経験を自分で調べたり試行錯誤する中でも増やしていく必要があるわけです。

その子の習熟度や問題のレベルにもよりますが、飽くまでも大人は自転車の補助輪の役割で、
上手に子供たちのサポートをしていったほうが、その子のためになりますよね。

ミスを引きずらない方法

  ■ ミスを引きずらないテクニック

  どんなにメンタルが強い子でも、テストの経験がある子でも、何か悩みがある時は、それが頭から離れずに、集中できないものです。

  ○友達からちょっとしたことでからかわれた言葉が頭から離れなかったり、

  ○朝食べたものがムカムカして気持ち悪かったのを引きずったり、

  ○昨晩、なかなか寝つけなかったり…

  ○お父さんとお母さんが喧嘩していたのがショックだったり…

  様々な原因で、テストに集中できず、スランプに陥ってしまうことは往々にして起こりがちです。

 でもこれは、勿論大人の世界でも同じ。

 実力のあるスポーツ選手でも、試合中のちょっとしたミスの後に気持ちを切替えられずに引きずってしまうことや、

 プロ選手にだって、大衆紙にでっち上げのゴシップ記事を書かれて悩んでしまいプレーに影響する、なんてこともあります。

 スポーツの世界には、一流のメンタルトレーナーがいます。

 選手がスランプに陥った時、メンタルトレーナーが使うテクニックとして、「パーキング」という心理手法があります。

 この「パーキング(駐車)」という手法は訓練すれば、誰にでもできるようになるそうです。

 1.頭の中に駐車場をつくる
 
 2.ミスや悩みは一旦その駐車場に停車させておく
 
 3.目の前の試合に集中する
 
 4.反省や修正は、試合後に好きなだけやればよい。

 上記のように、選手にイメージをさせるというのです。

 これを選手に繰り返し訓練させると、メンタルが相当鍛えられるというのです。

 世界テニスの頂上決戦などを観ていると、一流選手はミスを繰り返しても、すぐに気持ちを切りかえて、逆転してきたりします。
 観ているだけでもメンタルの強さを感じることができますよ。

 さて、しかしながら中学受験は、選手がまだまだ小学生。

 精神的に不安定になりやすいのは仕方ありません。

 「パーキング」の手法が使えるお子さんであれば、それはそれで素晴らしいのですが、なかなか心を自分でコントロールできないのが子供です。

 ここで、一番のメンタルトレーナーになるべきは、やっぱり親御さんですよね。

 ■痛いの痛いの飛んで行け~

 テストの直前などは、特にお子さんの様子を気にしておきましょう。

 子供が悩んでいる様子であれば、まずはその悩みを聴き出してあげるといいでしょう。

 そして、

 「なるほど。それは、嫌な気持ちになるよね…。
 
  じゃぁその嫌な気持ちは一旦お母さんが預かっておくから、心配しないで。対処法を考えておくから。
 
  これからテスト本番だから、今はテストに集中して自分の実力を出し切ることだけを考えなさい。 」

 といった感じで、親御さんが一旦お子さんの悩みの駐車場になってあげる、というのが良いでしょう。

 そんな一言で、お子さんの気持ちは意外とすんなり切り替わります。

 小さな子が、ケガをした時に、

 「痛いの痛いの飛んでいけ~!」

 ってやると、泣き止んだりするのと、同じような感じですね。

 考えすぎる大人よりも、むしろ子供の方が気持ちの切り替えが早いかもしれませんね。

公文と中学受験

 『くもん 行くもん!』

 で有名な公文(くもん)式の学習塾。

 私自身は公文で学習したり、教えたりしたことはないのですが、学生時代に教育の勉強をしていた際、この『公文式(くもん式)』を知ったときは衝撃的だったことを覚えています。

 ■公文式のメリット

 ご存じの方も多いかと思いますが、公文式は『完全個別定着のレベルアップ方式』をとっています。

 集団授業ではどうしても、難しくてついていけない子や、簡単すぎて飽きてしまう子が出てきてしまいます。
 その問題点を無くしたのが、この公文式。

 習得度に応じて次のカリキュラムが用意されているので、子供たちも達成感を感じながら学んでいくことができます。

 得意ではない子は、易しい部分から順序よくマイペースで練習していくことができますし、

 出来る子は、学年に関係なくどんどん進めていけるので、小学生なのにもう中学生の連立方程式をやっている、なんていう子もいました。

 それぞれの個別に合わせて練習をすることができますので、よいシステムですよね。

  ■公文式と中学受験

 私は、中学受験専門の進学指導をしていますが、公文を学んでいる子が中学受験を目指して入ってくることも時々あります。

 公文で学んだことのあるお子さんは、やっぱり計算力が鍛えられていますので、計算のスピードが早いので、中学受験の算数にも計算分野ではとても順応してくれます。

 問題は、受験算数に登場する文章題。

 公文では、計算が中心なので、文章を丁寧に読んだり、じっくり考えることは訓練されているわけではありません。

 難問の多い受験算数に対応させていくには、計算力は前提条件で、様々な文章題や図形問題に対応していかないといけないので、やっぱりゼロから教え込んでいく感覚です。

 むしろ、公文で自信をつけている子にとっては、こういった計算だけではない思考回路を使うことに、余計に苦しく感じるかもしれません。

 もっとも、公文に通った子がすべてそうではありませんし、文章を丁寧に読むこと、じっくり考えることは、全般的にみんな苦手なんですけどね(苦笑) 

 ただ、やはり計算力があることは、有利ですし、低学年のうちに公文を学習して、小4から、中学受験に取り組んでいくというのは十分効果的だと思います。

1.01と0.99の違い

 GWもあっという間に終わってしまいました。
 私も旅行で気分をリフレッシュ。
 気持ちを切り替えて仕事に臨んでいます。

 ■1.01と0.99の違い

  毎日の努力の累積が大きな差になる。

 このメルマガでも何度かお伝えしてきましたが、受験に臨む上で、そして成績をあげていく上で、有効な方法は、特別な教材を買うことや、スゴい先生に預けることではなく、「努力を継続させること」です。

 ほんの数回の授業や教材で成績が上がるわけではありません。

 一般的に良い教材やスゴい先生というのは、「努力を継続させることができる」教材や先生のことを言うのでしょう。

 さて、ここで質問です。

 1を365回かけるといくつになるか?

 簡単ですね。

 1×1×……×1 =1

 つまり、1^365(1の365乗)は、1です。

 これを、いつもの力で1年間努力をした結果の標準数値としましょう。

 そこで、いつもよりちょっとだけ手を抜いた力を0.99とします。

 ちょっと手を抜いた状態で、一年間努力すると、計算結果はどうなるか?

  0.99^365 = 0.0255179645

 どうやら、何も産み出さない感じですね。

 切り上げてもたったの0.03ですからね。

 最後に、普通よりちょっと努力することを1.01とします。

 先ほどの0.99と比べると、僅か0.02の差しかありませんね。

 さて、このちょっと頑張った状態で一年間続けるとどうなるか?

 1.01^365 = 37.7834343

切り上げて約38という結果。
 標準数値よりも、およそ38倍もの大きさになりました。

  さて、これをどう考えますか?

 実はこの計算は、あの楽天の三木谷社長が執筆した「成功のコンセプト~Principles for Success」という本に記載されている内容です。

 単なる数値計算と捉えるのではなく、この計算結果を自らの生活信条の『教訓』として、毎日努力の積み重ねを継続させることができる人が、いずれ成功する人なんだろうと思います。

 もちろん受験勉強も、ちょっとの努力の積み重ねが大きな実力になることは言うまでもありません。

 生徒たちにも伝えたいと思いますが、

 まずは、私自身を律するところから…(^_^;)