テストなどの問題を解くときに必要とされる”力”とはどんな力が必要でしょうか?
「やっぱり、知識量がものをいう。暗記力!」
確かに色んな知識を覚えることは大切なことですが、「覚えなさい」といって暗記させても、暗記には限界がありますよね。
理数系ではもちろんのこと、社会などの知識科目と言われる科目でも、テキストに載っているものとは違った視点で出題されてきます。
問題を解く能力の一つに、「類推する力」という力があります。
実際、問題を解こうとするとき、以下の手順が頭の中を巡っているはずです。
1. 何が問われているか理解する。
2. 頭の中を”検索”
3. “見つけ出した”知識や経験を目の前の問題に”対応”させる
4. 問題を解く
つまり類推とは既に持っている知識と似ている点をもとにして、推理することです。
特に理数系科目での応用問題などでは、基本問題の組み合わせをどれだけ”類推”して解いていくか、という力を見る問題が出されるわけです。
たとえば、こんな問題があります。
(一応理系担当なので、小5算数の標準的な文章題から…)
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問題:
太郎君は、家から学校まで930mの距離を、はじめは毎分90mで走っていきました。疲れたので、途中にあった本屋から毎分60mで歩いて、そのまま学校につきました。家から学校まで13分かかりました。
太郎君が走っていた家から本屋までの距離は何mでしょう?
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さて、速さの問題なんですが、最初は文意を正しく把握するために、まず線分図やダイヤグラムなどの状況図を描くはずです。
始めの頃は(あれ、簡単に解けないなぁ?)などと悩みがちの問題です。
しかし、授業でこの問題は「つるかめ算」という以前習った解法を使って解くんだということを習います。
その方法がきちんと頭の中に定着していれば、類推することができて、
(あっそうだ、こんな問題は確か「つるかめ算」を使うんだっけ)
といった感じで解いていく、という流れになるわけですね。
(答えは下のほうです↓)
もし類推する力が未熟だと、テキストにある問題の解き方は出来るようになっても、類題、応用問題が解けなかったりします。
この問題は、まだまだ簡単な標準問題ですが、実際の入試問題では出題者が様々な力を見るために複合的な問題を出題してきます。
回答するお子さんが、出題される応用問題に対して、解法を導き出せるかどうかは、類推する力が鍛えられている必要がありますよね。
そして、類推する力を鍛えるためには・・
やっぱり毎日の演習トレーニングなんです・・・
ちなみに、類推力は「連想ゲーム」などをやっていると鍛えられるそうですよ。
(例:「応仁の乱」といえば…)
★本文の問題の答え:450m