K君は当時5年生。
2番手クラスの大人しい少年です。
算数の成績もクラスの中か中の上くらい。
とにかく大人しくて、授業中手を挙げて発言したことなど一度もなく、目立たない生徒でした。
1学期前半のYT組分けテスト。
生徒達にとっては大きなテストなので、私もクラス全員を盛り上げて、テスト本番に臨むよう励ましていました。
テストが終わり、次の日に手応えがどうだったか尋ねると、何とK君はテスト当日に休んで、テストを受けていないというのです。
理由を尋ねても、K君はうつむき加減…
「具合悪かったの?」
の質問に、それとなくうなづいただけ。
ところが、後でお母さんに電話で聞いてみたところ、別に体調が悪かったわけではない、というのです。
テストの当日、K君は
「テストに行きたくない!」
と、グズりだしたとの事。
理由は、「自信がないから」だと言います。
そんな理由でテストを休んだ男の子は、今まで聞いたことなかったのですが、どうやら事実らしい(^_^;)
K君は、何だか男の子とは思えない位の繊細な心の持ち主だったんですね。
さて、そんなK君が変わるきっかけがありました。
(…後編に続く)