先日、全国統一小学生テストがありました。
私はそこの4年生のテスト監督スタッフとなりました。
初めて塾に来た生徒10名強を担当したのです。
(3年生の監督もやりました。その時の様子はコチラ⇒ 全国統一小学生テストの監督にて)
早目に来た生徒たち(早い子は1時間も前から)、初めての塾で、周りも知らない子ばかり・・・
「早めに来たんだから勉強してたら?」
というと、テストを受けに来ただけなので、誰も勉強用のテキストなどを持ってきていないというのです。
(それなら何でこんなに早く来たの!?・・(笑))
ただ、緊張感の中で、じーっと待っているだけなのです。
そんな子が多くなってきたので、私は ナゾナゾっぽく算数パズルを出しました。
「待っている間、やってみようか。 これは、入試問題だよ。でも4年生でも解けるぞ。」
すると、テストまでの時間を持て余していた子供たちの目がいっせいに輝き出したのです。
■算数パズルの効用
人間と言うのは、本来脳に刺激を求めます。
ドーパミンという物質が脳に働くのです。
勉強で言えば、褒められたり、知的好奇心を満たした時などに起こるわけですが、その中でも『悩んだ末に解いた達成感』を味わうことができるのが、算数の醍醐味です。
普段の塾でも実践しています。 受験生でも、授業前に
「真喜志先生からの挑戦状」とか、「今日の入試問題」と題してナゾナゾっぽく1問を出すと、みんな考え出します。
忙しくて準備していないと、
「え~、今日はないの?」
とガッカリされます。
授業でたくさん問題を解くのに、なぜかナゾナゾ形式の方が好きなんですね。
難関校への合格実績が高くて有名な宮本算数教室では、3年生はパズルしかやらせないようです。
そうやって、『考える脳』を作っていくのでしょうね。
■受験算数はそもそも論理的思考脳力を試すテスト
中学受験の算数も、もちろん基礎的な考え方を反復して、計算力をつけて臨む必要があります。
もちろんそのことはとても大切なことなのですが、そこには本当の算数の喜びはありません。 難関校であれば、特に算数の本質である「論理的思考力」の有無を問う問題を出題してくるわけです。
ですので、受験算数への抵抗力をなくすためにも、こういった「なぞなぞやパズルを楽しむ」という姿勢を、低学年のうちから身につけさせてあげたいですね。
さて、先ほどの全国統一小学生テスト前の子供たち。
「難しいか・・。じゃぁ第一ヒントです。 この三角形のここに線を引くと・・・」
「あっ、分かった~!」
時間稼ぎで出した問題が以外に好評でした。
他の模試で全国で3位だったという賢い子がたまたま来ていて、解けないだろうと思っていた問題を見事に解いたので、皆で拍手をしました。
緊張感で誰一人話もしなかった子達がだんだん和んできて、
「先生、他にも出して」などとせがまれる始末。
君たち、テストは嫌いなんだろうけど、なぞなぞは好きなんだね・・・
■ 適度な難易度の問題が、その子の関心と能力を伸ばす
さて最後に、お子さんに問題を与える時は、その子に合わせた適度な問題を与えることが大切です。
「解けた喜び」を感じられないようであれば、嫌になるだけですもんね。 どんな問題を与えるかが、出題者の腕の見せ所ですよね。
コメント
子どもはもともと知的好奇心が旺盛であるということを、以前知り合いの先生が言っていたことがありましたが、先日、娘が、
「今、こうして、受験に向けて勉強漬けの毎日が永遠に続けばいいのに。受験が終わってしまってこの生活が変わってしまうのがなんだか嫌だ」
と、さめざめと泣き出すので、固まってしまいました。
普通は、
「早く受験勉強から解放されたい。」
って思うものですよね。
「勉強が嫌になったりしないの?」
と聞くと、
「なんで嫌になるの?こんなにおもしろいのに。私にとったら勉強はクイズ遊びと一緒だよ。」
と言います。
人よりもドーパミンが多いのでしょうか・・(笑)。
中学に行ったら行ったで、また新しい事をたくさん教えてもらえるし、今よりもたくさん勉強することになるよ、と言ったら、
「そうなの?」
と目を輝かせたのですが、
「でも、中学行ったら今のように勉強できなくなるような気がする・・。」
とまた落ち込むので、
「え?燃え尽き症候群で?」
と聞くと、
「そうじゃなくて、中学行くと部活もあるし、帰りの時間も遅くなるし、今みたいにたくさん勉強するための時間がなくなりそうで、心配。」
「・・・・・・・。」
周りからはすっかり変人扱いされている娘です。