入試直前に、以下のような新聞記事がありました。その一部を抜粋します。
中学受験にも不況風 “滑り止め”減少 産経新聞 1月31日(月)
首都圏の私立や国立大付属中学校の平成23年度入試が2月1日から本格的に始まる。大手進学塾の予測では、受験者数自体は約5万4千人と過去最高水準となるが、1人当たりの平均受験校数は4年連続低下の見込みで、5校を少し上回る程度。長引く不況などで“滑り止め”の受験を減らす傾向が強まっている。
専門情報サイト「中学受験スタディ」を運営するバレクセルの野倉学代表は「受験をする家庭は経済基盤が堅く、不況を理由に受験自体をやめる可能性は少ない。ただ、志望校に行けない場合に、レベルを落としてまで私立に行かせる保護者は減っている」と話す。
確かに、現場の感覚からして、上記の記事は的を得ているような気がします。
担当ではないクラスの生徒ですが、その子の成績と併願パターンを見ると、「えっ??」という受験パターンがありました。
「全部チャレンジ校だね。どこで押さえられるの?」 まさに討ち死に覚悟の”特攻”のような受験です。
担当に確認すると、いくら親に説明し、他の案を提示しても、妥協したくない、とのことでこの併願パターンは変えたくないとのこと。 もちろん最終的にはご家庭の判断によるので、仕方ないのですが、特攻受験をするお子さんがかわいそうになります。
2月3日の時点で合格が出ていないその子は、周りが合格している知らせを小耳に挟んでは
「いいなぁ~。自分も合格したいなぁ」
入試後に分からなかった問題を確認して間違えていたことが分かり、涙を流しています。
結局、その子が受けた学校全て 不合格でした。
子供にとって、”全て×”というのは今まで頑張ってきた努力が全く報われなかったということ。
全否定されてしまったということ。
本人も覚悟で臨んだ場合もあるとは思いますが、それでもこの体験がトラウマになってしまいそうで、切ないです。
やっぱり、たとえ通う意思がなかったとしても押さえ校として合格を取っておくことは意味があるのではないか、と改めて思います。