中学受験の進学塾に入ると、まず宿題量の多さに辟易(へきえき)する方が多いかと思います。
そんなに大変な宿題をこなさないといけないのか。
そうしないと出来るようにならないのか?
そうしないと合格できないのでしょうか?
■ 量が質をつくる
受験とは違いますが、ある心理学的実験があります。
複数名の陶芸初心者たちをAグループとBグループに分けます。
そして、それぞれ以下のようにコンセプトを定めて、同じ時間内に花瓶をつくってもらいます。
Aグループ:とにかく量をたくさんつくる
Bグループ:とにかく質を重視してつくる
ある程度の時間を経て、それぞれのグループで作られた作品を見比べてみるとどうなったかというと…
『量を重視したAグループの方が、良質の花瓶が多くつくっていた』
という結果になったのです。
少し考えてみると分かると思いますが、
量をたくさんつくることによって、最初は下手でも試行錯誤の回数が増えていくので、どんどん質も良くなるように修正されていくわけです。
これが、『量が質をつくる』という現象です。
(考えてみれば当たり前なんですけど)
個人的には、面倒なことはあまり好きではないのですし、算数も出来るだけ効率的なやり方を教えるのですが…
『本当に成果を出そうと思ったら、やっぱりある程度の量をこなしていくことが必要』
という結論であることには私も経験上納得しています。
従いまして、
・努力をしない子
・宿題をこなしきれない子
は、少なくとも中学受験でそれなりの成功を収めるには、どちらかと言われれば不向き、と言わざるを得ません。
しかしながら、人生中学受験の結果で決まる訳ではありませんから、受験勉強を通して、
などなど、取り組んで得られるものは多いです。
もともとどんな子も最初から自立したできる子ではなくて、甘えん坊の成長段階の子供たちですからね…(^_^)
受験勉強を通して、できればそこに、
・努力が報われて、認められて嬉しい!
・勉強することで色んなことを学べることが嬉しい
という経験をさせてあげたいもの。
お子さんの精神的な成長のためにも、大人側の意識として持っていきたいところですね。
量をこなす必要性は分かっていても、それはダイエットするための運動と同じ。
現状の環境や能力に応じてお子さんにも限度がありますので、無理なく適度な負荷を与えながら、それを継続させていくことが一番大切です。
続ければ、必ず成果が出てきますから。