一般的に進学塾で受験を目指す際に、上位のクラスの方がいい、と考える方が多いかもしれません。
確かに上位校を目指していくのならば、やはりそれに応じた内容をクラスで学んでいく必要はあります。
「塾で上位のクラスに上がるためには」なんていう講座が個別塾でも行なわれているくらい、上位クラスへの憧れ、なんてものもあるのかもしれませんね。
ちなみにうちの塾は、算数と国語の両方の総合成績でクラスが決定します。(理社は別)
大手の塾では多いと思うのですが、算数だけは基礎クラス、国語だけは発展クラス、という科目別に習熟度を合わせたクラスにすることができないんですね…(^_^;)
そうすると、算数がぜんぜん出来ないのに、国語がとてもできるので、上のクラスに上がることが出来る、という結果に出くわすこともあるでしょう。
私自身は最近上位クラスを教えていることが多いので、上記のようなお子さん(女の子が多いですけどね)を教える機会も何度かありました。
国語はとってもできるのに、算数は苦手。
このようなお子さんも多いはずですね。
正直言いまして、算数が苦手なのに算数の発展クラスの授業を受けるのは、本人が苦しいと思います。
算数は『階段型』の科目なので、カリキュラムを一定の順番に消化していく事によって、実力が伸びてくるものです。
算数が苦手、分からない、という場合は、理由はさまざまですが、多くは必要なカリキュラムの基礎部分が不十分であることが多いです。
例えば、発展クラスの授業では、速さ+つるかめ算の応用問題を扱っているのに、そもそもつるかめ算の解法が分からない、速さの文章から図が描けない、などなど…
当然理解のスピードも違うので、発展クラスの授業スピードについていけない場合も多くなります。
ですから、算数が苦手な生徒が発展クラスにくると、授業内容がほとんど分からない、ということになり、結果的にさらに算数の成績を落としてしまう、ということになってしまうことも多くあります。
講師としても、内容や説明を丁寧にしたり、宿題の内容を変えたりと、そういった子への配慮を出来るだけしていきますが、個別授業ではないので完全に合わせることはできないんですね。
従いまして、算数の理解を順調に深めていくことを考えると、やはりクラスのレベルは算数に合わせておいたほうが無難だと思います。
国語が良く出来すぎて、上のクラスに上がる機会がある場合は、あえて算数のレベルに合わせて今のクラスに留まっておく、という判断をした方が良いと思います。
ただし、上述したリスクを承知の上で、敢えて上のクラスで学んでみることによるメリットもあるかもしれません。
上のレベルを学習する事によって、自分の目標ハードルを上げるキッカケになるかもしれません。
上位クラスにいる他の子たちの様子から刺激を受けることもあるでしょうし、講師の合う、合わないもあるでしょう。
クラス変更の機会がある際には、単純に上のクラスへ、というのではなく、算数のレベルや本人の気持ち、講師のアドバイスなども参考にして、総合的に判断してみてくださいね。