成績が下がったときにこそ意識すべき親の行動とは?
中学受験に向けて頑張っているお子さんの成績が思うように伸びないと、不安や焦りを感じるのは当然のことです。
ある教え子の一人が、かつて上位クラスにいたものの、成績が低下してクラスが下がってしまった時期がありました。
冷静に成績データを分析すると、決して実力がないわけではなく、何かしらの要因で一時的に成果が出ていないことは明白でした。
そのため、私は何度かその生徒に声をかけ、学習状況をさりげなく確認していたのですが、ある日そのお子さんの保護者が私には一言もなく、直接教室長(校長)へ面談依頼の電話をかけたのです。
正直なところ、これはとても残念な気持ちでした。私はその子の担当講師として責任を持って日々接しているのに、なぜまず私に相談をしてくれなかったのでしょうか?
もちろん、保護者の気持ちや不安も理解できますし、塾によっては担当講師と直接話す機会が限られている場合もあるため、一概に責められることではありません。
しかし、可能であればまず担当講師に一言相談してもらいたいのです。
担当講師はお子さんの成績を一緒に伸ばす“チームの一員”
担当講師も一人の人間です。
クラスには20人、30人もの生徒が在籍しており、それぞれを個別に見ながら、日々授業やフォローにあたっています。
皆さんに想像していただきたいのは、“仮に自分に子どもが20人いたら、全員の様子や変化に毎日100%気づけるか?”ということです。
講師は、そんな厳しい状況の中でも「全員を合格に導きたい」という思いで全力を尽くしています。
それゆえ、保護者が講師を信頼せず、担当講師を飛び越えて他のスタッフに相談されると、「自分の努力を否定された」と感じる場合もあるのです。
教師も感情を持つ人間です。自分を信頼してくれる保護者には、自然と応えたいという気持ちが湧くものです。
逆に、自分の存在を無視されたように感じれば、その生徒のフォローに対するモチベーションが落ちてしまう可能性も否定できません。
学力低下時こそ、講師との連携で乗り越えるべき
お子さんの成績が下がってきたときこそ、担当講師としっかり連携をとることが、合格への最短ルートです。
・最近の授業での様子
・家庭学習での取り組み方
・苦手分野やつまずきの原因
・モチベーションの有無
こういった情報をお互いに共有し、お子さんを中心とした「サポートチーム」を作るつもりで取り組む姿勢が大切です。
講師と保護者がタッグを組むことで、子どもにも「自分は支えられている、応援されている」という安心感が伝わり、次への一歩を踏み出す力になります。
もし、どうしても担当講師との相性が悪い・対応が不誠実だと感じるならば、その時には校長や他のスタッフに相談したり、塾そのものを再検討したりすることも一つの手段です。
でも最初から避けるのではなく、まずは担当講師とコミュニケーションを取る努力をしていただければと思います。

今回の記事のまとめ
- 成績が下がったときこそ、まずは担当講師に相談して連携を取ろう
- 講師も一人の人間。信頼されることでモチベーションが上がる
- 保護者・講師・子どもで「チーム」をつくる意識が合格を引き寄せる
- 担当講師への相談で解決しない場合のみ、教室長や別の手段を検討する
お子さんの合格という共通のゴールに向かって、講師と一緒に歩んでいきましょう。