成績が伸びる子・下がる子は何が違うのか?
中学受験の指導に15年以上関わっていると、子どもたちの成績が伸びるかどうかの「予兆」が見えてくるようになります。
「この子は今後きっと伸びていくだろう」
「このままだと、成績が下がるかもしれない」
そんな直感は、実は日頃の学習姿勢や取り組み方から見えてくるのです。
今回は、小学5年生の定期テストで見られたある2人の生徒の対照的な結果をご紹介します。
まず、Aさん。もともと算数が苦手で、一時は基本クラス(最下位クラス)への降格を本人と保護者に伝えたこともありました。
しかし、それをきっかけに本人が奮起し、努力に努力を重ねた結果、今回のテストでは大きな飛躍を遂げました。
何と算数の偏差値が9ポイントも上がったのです。
一方で、同じクラスのB君は逆の道をたどっていました。
5年生になった当初は最上位クラスにいましたが、成績が下がって標準クラスに降格したあたりから、勉強に対するテンションがガクンと下がってしまいました。
宿題は手抜き、わからないところを放置、間違え直しもせず…。
注意してもなかなか行動が変わらず、そのツケとなる結果が出ました。
その結果は予想を超えて悪く、テストの偏差値は全教科で40台、算数ではたったの5点でした。
一度の結果だけで落ち込む必要はない
テスト後、私はB君を呼び出して面談をしました。
もちろん、怒鳴ったり叱責したりするようなことはしていません。
それでも、本人は自分の結果にショックを受け、その場で泣き出してしまいました。
この結果がもし入試本番であれば、取り返しがつかなかったかもしれません。
しかし、今回はまだ小5の大きな模試。ここから対策すれば、十分に巻き返しが可能です。
どの子も、努力の方向性やつまずきを改善できれば、成績は大きく伸びていきます。
一度落ちた結果に対して落ち込むのではなく、「次」にどうつなげていくかが大切なのです。
成績アップのカギは「取り組む姿勢」と「家庭の協力」
成績が上がる子と下がる子を分ける最大のポイントは、「同じ授業を受けていても、それをどのように自分の学びに変えるか」にあります。
理解できないところをそのままにせず、必ず確認し、やり直しを重ねていく姿勢。
宿題も目的意識を持って取り組むこと。
そして、成績が下がれば素直に受け止め、次にどう対処するかを考える姿勢が大切なのです。
また、講師としてできる指導には限界があります。
お子さんが塾以外の時間をどう過ごすか、何を意識して学んでいるかは、ご家庭のサポートがカギになります。
家庭と塾の二人三脚で、小さな躓きを見逃さず、粘り強く対処していくことが、志望校合格につながる道です。

今回の記事のまとめ
- 成績が伸びる子は「悔しさ」をバネにして努力を継続している
- 少しの成績ダウンでも「崩れくずれ始める兆候」は意識して見るべき
- テストの失敗を「入試ではなくて良かった」と前向きに捉えよう
- ご家庭の協力が、子どもの成長に不可欠なサポートになる

中学受験は随時順風満帆とは なかなかいきません。
親も子も一緒に、山あり谷ありの道を進んでいく中で、親子ともに大きく成長できます。