こんな子がいました。
成績は悪く、当然一番下のクラス。
塾で算数の授業を受けて、家に帰っても、全然理解していない。
よって、宿題も一人でできない。
算数はお母さんが一生懸命教えてあげて、何とかこなしている。
国語の成績も悪い。読解力が乏しい。
全教科に渡って、授業中、時々ボーっとしている。
自分で何かを考えてやることが苦手で依存的・・・。
頭の良い子、賢い子、というカテゴリからは、残念ながら明らかに外れています。
しかし、お母さんは超ブランド志向。
有名大学附属中学しか、頭にありません。
そんなお母さんから、「どうしたらよいか?」と質問を受けました。ちょうど、5年生の今くらいの時期でした。
こんな時、講師としてはやっぱり毎回返答に困るのです。
色んな意見があると思います。
たとえば、
お父さんなんかが、お家で言いそうですね。
でも、塾の講師がこんな発言いえるはずもありません。
経営上の問題もあるでしょうし(笑)
実際、そういった子が公立中学へ行っても、その後有名大学附属校に入れる可能性がどれだけあるのか、疑問です。
目的が有名大学にあるのなら、偏差値が低くとも面倒見の良い私立の中高一貫校に入った方が、よっぽど大学進学の実績がいいはずです。
現時点での対処法は、
特に算数が出来ない子は、やっぱり個別に見てあげるしかありません。
塾の講師は、授業前後の対応はしてくれるところはしてくれるでしょうが、基本的にはとても多忙である場合が多いので、物理的・時間的に限界があるのです。(言い訳ではなく、本当に)
家でお父さんやお母さんがきちんと上手に見てあげられれば良いのですが、我が子であるため、つい感情的になったり、過剰に見てあげすぎるので、かえって子供の自立心、自ら考える力を抑えてしまいがちです。
的確な質問や指導で、本人の“自ら考えて解く力”を引き出すのが、個別指導の鉄則です。
個別指導のデメリットもあるので注意することもありますが。
ただ、これも、塾講師としては、提案しにくいんですよね。
塾と個別を併用したら、経済的な負担がご家庭にかかることは確実ですし。
でも、成績が悪い子を本当に上げることを考えると、やっぱり、これも本音なんですね・・
授業前後の対応では不十分だと分かっているから・・・
ただ、結果として、ご家庭の経済的な負担をかけないためにも、そして講師としてのプライドのようなものも働き、不十分かもしれないけれど少しでも実になればと、授業前後での対応を頑張ってやることになるのです・・・