中学受験の科目選択の迷い 2科目と4科目の違いとは
中学受験において、受験科目は主に2つのパターンがあります。国語と算数の「2科目受験」と、理科・社会も加えた「4科目受験」です。
また、学校によっては2科または4科から選択できる場合もあります。それだけに、保護者の方の中には、
– 志望校の受験科目はどちらにすべきか?
– 習い事との両立ができるか心配…
– 2科目でスタートしたけど、いつから4科目へ変更すべき?
など、様々な不安を抱えていらっしゃることでしょう。
進学塾に通っている場合、「4科目を早めに始めましょう!」と勧められることもあるかもしれません。でもそのとき、「経済的にも時間的にも大丈夫かしら…?」と疑問を感じたことがある保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、実際にあったご家庭の事例をもとに、2科目と4科目のメリット・デメリットをご紹介しながら、後悔しない科目選択について考えてみます。
実際の事例:6年生夏に科目変更を検討したご家庭
あるご家庭では、6年生の夏になって「受験科目を2科目に減らそうか?」と悩んでいました。
ちょうどこの時期、志望校を3校に絞り込んでいたのですが、これらの学校はいずれも2科目または4科目、いずれかの受験方式を選べる学校だったのです。
そのお子さんは受験勉強と並行してスポーツ活動を続けていたため、「勉強もスポーツも両立させたいし、4科目は負担が大きいかも…」「受験できるなら2科目でもいいのでは?」と、ご家庭で話し合っていたそうです。
でも、模試成績をよく分析してみると、国語の点数は低め。
その分、理科・社会で総合点をカバーしており、偏差値を保っていたことがわかりました。
また、選んだ志望校では、受験生の中で4科目での受験者が多く、合格枠も広く設定されていたため、「4科目受験の方が有利だ」との情報も得ました。
その結果、そのご家庭では秋以降も4科目受験を継続し、無事に第一志望校へ合格。
お母さんは後日、「4科目で受験して良かった。特に理科・社会の勉強は、中学入学後にもすごく役立っているようです」と話してくれました。
4科目受験が有利って本当?考えておきたい学校側の意図
2科目と4科目、どちらが良いのかは、子どもの特性やご家庭の状況によって異なります。ただし、近年の受験事情として、以下のような現状があります。
4科受験が有利な理由 | 解説 |
---|---|
受験枠が広い | 4科受験の方が合格枠が多く設けられている傾向あり |
学校の求める生徒像 | 中学校側はバランスよく学べる子を求めている |
足切りの可能性 | 2科受験者は算数・国語で高得点を取れないと不利に |
学びの積み重ね | 理社は中学以降の学習でも土台になる |
特に首都圏の中学校では、2科目受験を実施する学校が減少傾向にあり、2科受験では選べる志望校の幅が狭くなる可能性が高まっています。
また、入試ではまず国語・算数で足切り点を設定し、残る合格者を理社も含めて総合点で決定する方式をとる学校も多いため、確実に合格を狙いたいなら4科目が圧倒的に有利です。
理科・社会はいつから始めるべき?4年生スタートがおすすめな理由
では、4科目受験を選ぶ場合、理科・社会の勉強はいつから始めるのがいいのでしょうか?
私は15年近く理科を指導してきましたが、やはり本音としては「4年生からのスタートがベスト」だと感じています。
4年生に学ぶ単元は、無理なく楽しく取り組めるものばかり。
たとえば、理科では昆虫の観察や季節の変化といった興味を持ちやすい内容が出てきますし、社会では地理分野を身近な地域にからめて学べるので、知識が自然に身につきます。
一方、5年生になると単元が難しくなり、内容の深さ・覚える量ともにかなり“ハード”になります。4年生から開始しておけば、5年生以降の学習もスムーズに入れます。
もちろん、「覚えるのが得意!」という子であれば5年生からでも対応可能。
しかし、5年生の2学期以降から理社を本格的に始める場合は、ある程度の覚悟と努力が必要です。
本来、理科や社会は「面白い!」と感じられれば子ども自身がどんどん吸収します。
たとえば、
– 月の満ち欠けを観察する
– 水を沸かすことで温度と状態変化を理解する
– テレビの歴史番組をきっかけに興味を持つ
など、日常生活の中からも好奇心が養われて、学びの定着につながります。
保護者の皆さんも、勉強を「塾での義務」にせず、家でも話題を広げて、自然に理社とも向き合える環境をつくってあげると良いでしょう。

今回の記事のまとめ
- 2科目or4科目を選べる場合、4科目の方が有利なケースが多い
- 受験後も理科・社会の知識は中学生活で役立つ
- 理科・社会は4年生から始めると負担が少なく効果的
- 日常生活から理科・社会への関心を育てる工夫も大切

中学受験は「何を学ぶか」だけでなく「いつ、どう学ぶか」も重要です。
お子さんの状況を見て相談しながら適切な判断をして、お子さんの力を最大限に引き出してくださいね。
コメント
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さて、お尋ねの件ですが、もう既に6年生であるならば、今から理社をやるのは正直厳しいと言わざるを得ません。受験理社で必要な知識量はかなり膨大です。
今まで2教科でやってこられたということは、学校選びの際2教科受験できる学校で構わないというお気持ちだったと思いますので、そのまま2教科で続けられる事をお勧めします。
ただし、お書き頂いた個人塾の内容ですと、勉強時間がかなり不足しています。毎日1時間半以上は受験勉強に充てるだけの学習時間・空間を確保したいですね。
家庭教師、個別指導、大手の特別講座などとの併用を検討するか、あるいは面倒見の良い塾への転塾(大手が良いとは限りません)をお勧めします。
なお、「2科受験で合格をもらうのは本当に厳しく完璧な状態でないと無理と言っても過言でない。」というのは偏差値が高めの人気校に限ってのことだと思います。
学校を選べば、2科でも十分合格を勝ち取れます。
突然のメールで相談すみません。今春から6年生になる娘の事です。今更なんですが2科4科受験の事です。本当に小さな個人塾に通っています。週2回1時間30分の勉強時間宿題ありません。先生がプリントを作り(1枚)それをやってきます。もちろん四谷大塚にも準じていません。先生曰く「算国をしっかりすれば大丈夫・・」そのしっかりもできていない状態です。もちろん上位校を狙っているわけでなく首都圏模試で50以下・・しかしここにきて今更なんですが算国がしっかり出来るわけでもないのに2科で大丈夫なのか?ある塾の報告会では「2科受験で合格をもらうのは本当に厳しく完璧な状態でないと無理と言っても過言でない。」と・・もともとできの良い子でないので今から理社に手を出すともっと国算が低迷してしまいそうな・・本当にこのまま二科でいいのか悩んでいます。まとまりのない文章ですみません。