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なるべく自力で解かせる

自転車の練習をする親子 塾講師の本音

積極的に分からないところを分かろうと解決することは素晴らしいことです。
ですので、積極的に先生に質問に行く子は、ふつうは学力も伸びていきます。

今回は、「でもね…」っていうお話です。

■ 自分で解けた、という経験を積ませたい

最上位クラスを長く担当していますが、実は出来る子ほど質問に来ません。
自宅に優秀なお兄さん・お姉さんがいるから、というわけでもないようです。

一度も算数の質問に来たことはないけど、御三家中学に合格したっていうような子が、
実は多いのです。

プライドもあるのかもしれませんし、ある程度の問題は解けるから、ということもあるのでしょうが、そういう子達の能力で感じるのは…

○解答解説を読んだら、自分で理解できる。

という力量を持っていることです。

大人であれば、多くは解答解説があれば理解できるでしょう。
ところが、成績の伸びない子の傾向として、

「解説を読んでもわからない。理解できない」

という子が結構多いのです。

それでも、質問して理解しようという姿勢の子はいいのですが、ややもすると、
自分で理解しようとする力が育たなくなる、という危険性もあります。

先日、6年生のA君が算数の質問に来ました。
(最上位クラス生ではありません)

「先生、この3問がわからないです。」

問題集のレベルは標準程度。問題は文章題(ニュートン算)です。
確かにちょっとだけレベルが高めですが、テキストの後半の例題に出てくるようなレベルの問題。
問題集の解答解説も持っているはずです。

私は、問題のレベルを見極めると、すぐにやり方を教えないようにしています。
(イジワルですね~(((^_^;))

「この3問、全部先生に解かせようとするつもり?
そもそも、何も手をつけてないじゃない。
この文章題は、ニュートン算だって分かるよね。
ニュートン算って、いつも最初に何をするの?」

「線分図を描きます。」

「そうだね。じゃぁまず、文章読んで線分図を自分で書いてきな。」

「・・・は~い」

ちょっとあてが外れたような、いぶかしげな顔で戻っていったA君でしたが、
20分後、さりげなくやってきたA君が言いました。

「先生、あの問題自力で解けました!」

ちょっと嬉しそうな笑顔から、それが嘘ではないことが分かります。

恐らく、講師が一から全部教えるよりも、試行錯誤して自分の力で解ききった、
という経験の方が、A君の実力向上にはプラスになっただろうと思います。

「その子のために魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」
という有名な言葉もありますが、全くその通りですよね。

例え、自力で解けなかったとしても、もう高学年であれば、
解説を読んで理解できる読解力と分析力をも育てなければなりません。

お子さんによっては、解説の読み方から教えないといけない子もいるかもしれません。

「あ~、そっかぁ!なるほど~」

という経験を自分で調べたり試行錯誤する中でも増やしていく必要があるわけです。

その子の習熟度や問題のレベルにもよりますが、飽くまでも大人は自転車の補助輪の役割で、
上手に子供たちのサポートをしていったほうが、その子のためになりますよね。

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