勘違い その2 ● 上のクラスを担当している講師 = 良い講師 上のクラスを持つには、それなりの知識が必要です。 高度な知識を教えなければなりませんので。 しかし、「生徒管理はラク」です。 基本的に、上のクラスにくる生徒は「真面目な生徒が多い」です。 言わなくても、「家庭学習をきちんとやってきます」 しかも、「理解が早い」です。 「1を言ったら、10を理解してくれます」 放っておいても、「必要な問題をやらせて、うまく気持ちをコントロールしてあげれば、成績は伸びてくれます。」 しかし、下位の成績不振のクラスはそうではありません。 上のクラスと同じように教えても、理解してくれません。 「10を言っても理解してくれるのは3です」 「10を言っても理解してくれるのは1の生徒だっています」 「宿題もきちんとやってきません」 「集中力もたりません」 生徒管理も大変です。 下のクラスをきちんと面倒を見ていくというのは、上のクラスを担当する以上に力量がいるのです。 しかし、実はこの勘違いは塾内でもあります。上のクラスを担当している先生が良い先生だと持ち上げられ、給料も高かったりします。 上のクラスの実績が会社のブランドや利益に影響があるので、それもいいでしょう。 しかし、塾内のそういった雰囲気が、講師自身も勘違いさせていきます。 上のクラスを担当しているから、俺はいい講師だ、と。 こんなことがありました。 その年、私は標準クラスを担当していました。 最上位クラスを担当していたのは、最上位クラスしか教えたことのない講師です。 クラス分けテストがありました。 私は、自分のクラスの生徒のうち、標準点を上回った2人を 上のクラスへ上げる事ができました。 しかし、上のクラスから、標準点を下回った5人の生徒が下がってきました。 しかし、その上のクラスを担当している講師は、そのクラス落ちした生徒の悪口しかいいません。 「俺の授業について来れないのが悪い」と言い放ちます。 むしろ「できないのはいらない」と言い放ちます。 その講師は、授業準備など、していません。 それでも、保護者は、最上位のクラス担当はいい先生だと思い込んでいます。 [最上位クラスの生徒] 真面目。 放っておいても宿題をきちんとやってくる。 1を言ったら10をわかってくれる。 モチベーションが高い。 集中力がある。 いわゆる手のかからない子たち。 [下位クラスの生徒] 努力することが苦手。 宿題もなかなかやってこない。自分でやれない子すらいる。 10を言っても理解できるのは3程度。 モチベーションも低い。 集中力がない。 手のかかる子達。 結論です。 良い講師とは、「上のクラスも下のクラスも、どちらもクラスに応じて面倒見よく対応し、常に生徒の成績向上に向けて努力している講師」です。 片方しか見れない講師は、本当に力量のある講師ではありません。 私自身はどちらも担当していますが、力量を問われるのはやはり下のクラスです。上のクラスは経験さえあれば、上述のとおり比較的ラクですから。 「親の子育て」でも同じでしょう。 優秀な子供が優秀な学校に合格したからといって、その親御さんが優秀とは言い切れません。 まして、それを自慢しているような親御さんは少々人格が乏しい方です。 障害児を抱えたお子さんを苦労しながらも、文句の一つも言わずにしっかり育てている親御さんの方が、よっぽど「親としての力」が上だと言えます。 出来の悪い子供には、「お前なんか私の子じゃない」と 時には言いたくなることだってあるのじゃないでしょうか? どんな子供であっても、一人の人間です。 順調ではないから、中学受験も面白いし、 人生も面白いのかもしれません。 以上のことを踏まえた上で、過剰な偏見を持つことなく、担当講師とうまく連携をとりながら、ご家族にとって有意義な中学受験をされることをお祈り致します。