夏期講習会も、もうすぐ終盤ですね。
恥ずかしながら、先日講習会中に起きた事件についてお話します。
小6の下位クラス内で、昼休みの時間に複数の男子が、ある大人しい女の子1人を からかって「いじめ」の状況があったと報告を受けたのです。
報告によると、男の子は4名、そのうち2名が中心となり、他の子はからかい半分で一緒にいたようです。
その女の子が以前気持ち悪くなって吐いてしまったことを引っ張り出し、「汚い」などと、本人に聞こえるようにヒソヒソ話をしたりしていたようです。
塾での「いじめ」というのは、学校と比べて少ないのですが、やはり精神的に未熟な子供達の集まる場ですので、時々発生するのです。
うちの校舎ではいじめはそんなに多いほうではないという自覚がありましたし、 しかも、この時期の受験生にそんな報告を受けたので、普段は穏健派と知られる私も、素直に頭にきました。
「いじめ」というのは、「深刻ないじめ」というのに発展する前に、担当教師の対応で未然に防ぐことができます。
その際担当が、絶対にいじめは許さないという断固とした姿勢を見せることが大切だと思っております。
私は早速授業前に、そのクラスの男子生徒を全員別の教室に呼び出しました。
彼らは何やら不安そうに教室に集まります。
私は単刀直入に切り出します。
報告により、検討はついているのですが、まずは彼らの反応を見ます。
彼らは横目でお互いチラチラ見ながら気まずそうにしています。
ある有名ないじめ対策の本によると、ホームルーム等で「いじめっ子をクラス全員で吊るし上げる手法」などが載っています。
しかし、私はその方法が今の現場のシチュエーションには適切ではないと感じ、思うところがあって、男子全員(といっても6名ですけど)まとめて説教しました。
私の質問には誰も手を上げませんでしたが、構わず全員に向けてやや厳しい口調で話します。
「お前等が逆の立場だったら、どう思う?」
「△△!お前はどう思う?」
あえて、いじめの首謀者と思わしき男の子に最初に聞きます。
「・・すごく嫌な気分になります・・」
「・・塾を辞めたくなります・・」
次々といじめに参加していたと思われる4名に聞いていきます。
「・・そんなことをされたら嫌です・・・」
私は普段はあまり見せない恐い形相と、より厳しい口調で、端的に叱ります。
男だったら、逆にそういう子を助ける立場になれ!!」
そして教壇を思い切り「バーン!!」と叩きました。
短い説教の後の教室は、シーンと静まりかえります。
普段、あまり怒らない私からかなりの迫力で怒られて、彼らも目が醒めたような様子でした。
「ハイ!」
と返事をかえしてきました。
「ハイ!」
彼らの素直な反応をみて、どうやら深いいじめではなかったことが分かりました。
その後、授業中にも啓蒙をほどこし、授業後にいじめられた女の子にもフォローを入れておきました。
子供というのは、完璧な子はいませんね。
様々な問題を起こしながら、指導されて成長していくのでしょう。
からかってしまった男の子達も、普段はみな目標に向けて頑張っている子達です。
ついつい昼休みの解放感から羽目を外してしまったのかもしれません。
いずれにしても、勉強にも人間的にも成長してもらいたいものですね。
夏期講習会も終盤、講習会の最後のテストに向けて、頑張りましょう!