過去問について①からの続き
2.過去問をやる手順・利用法(続き)
◇解答時間をきちんと計って採点
点数よりも、時間配分に慣れることが大切です。 お子さんは、全問解きたいと思うかもしれませんが、制限時間内で、6割5分取れれば、大体どこの学校も合格できます。 問題数が多い科目であれば、どの問題に取り組んで、どの問題は捨てて、合格点以上を確保するといったことも考えて行きましょう。
◇「捨て問」を見定める訓練
入試問題は”落とすためのテスト”ですので、満点が獲れないように作られています。 (入試演習をしても最初はなかなか点数が獲れませんので、お子さんを責めないであげて下さいね)
満点を獲らせないために「かなりの難問=捨て問」が含まれています。 本番でそんな問題に時間を掛け過ぎるのは、かえって時間の無駄になってしまいます。 難問を出題する学校であれば、「捨て問を判断する訓練」も兼ねて過去問演習をする必要があります。
◇解き直しは、完璧でなくてよい
学校の問題レベルやお子さんの答案状態によりますが、過去問を行なう目的や「捨て問」等の理由により、 ミス部分を解き直しする際は、全ての問題を解き直しする必要はありません。
テスト問題の7割~8割部分を直し、理解できればOKとして、他の問題に当たった方が効果的です。 同じ問題が出ることは殆どありませんし。
◇点数が取れなかった原因を自己分析
過去問管理表に、「自己反省欄」を設けましょう。そこに本人が解き終えた感想を書きます。
その際、出来るようであれば、
・どうすれば、もっと点が取れたのか?
・どこに気付けば、この問題を解く事が出来たのか?
を自己分析させて書かせてみましょう。(特に算数)
書かせる事が難しければ、考えさせてあげるだけでいいです。 その積み重ねが実力になりますし、弱点分野の洗い出し・復習へとつながります。
◇傾向分析に協力
お子さん本人は、あまり傾向分析など考えないで問題を解きます。
塾の志望校別コースに通っていたり、家庭教師についている場合であれば、そこで問題傾向を教えてもらえるでしょうが、 そうでなければ、親御さんが過去問の最初の方に書いてある傾向分析などを読んで、本人にきちんと教えてあげた方がいいです。
(抱えている生徒が多い塾講師であれば、一人一人に細かく教えることができないのが実情かもしれませんので)
「算数は、大問1と2は配点が高く、そこだけで55点取れるから、ここはミスしないように丁寧にやるんだよ。 たぶん大問5は毎年難しいそうから出来なくても差がそんなにつかないだろうから大丈夫だよ。」
・・・など。
◇学校説明会を利用
学校によっては、前年度の過去問を説明会などで配布している事があります。
また、出題の狙いや受験生の解答状況などについて詳しく説明されている資料を配布している場合もありますので、可能な限り利用してみたらよいかと思います。 (学校のホームページでダウンロード配布している場合もあります)
◇同じ年の問題をもう一度解く
1回目で点数がとても低かった場合、自信をなくしてしまう事があります。
でも、第一志望校であれば、今の秋の時期であれば取れなくて当り前と思っておいた方がいいです。
冬になって忘れた頃に、一度解いた問題も、もう一度解いてみることをお勧めします。
1回目よりも点数は上がるはずですから、是非褒めて自信をつけさせてあげてください。
3.注意点
◇点数は取れなくても当り前と思う
先に述べたとおりで、今はまだ心配しなくて大丈夫です。繰り返して自信をつけていきましょう。
◇同じ問題は出ない
いくら過去問対策をしたといっても、それは飽くまでも「過去の問題」でしかありません。 今後同じ問題は出ることはないでしょう。
過去問を通して弱点分野を洗い出し、再度テキスト等に戻って、「弱点を補強すること」が、とても大切な事です。