さて、首都圏の受験が終わり、各塾が合格実績を宣伝しており、景気が良さそうに見えますね。
しかし、その裏にはたくさんの涙があることも忘れてはいけません。
首都圏中高一貫校の募集人数 約4万人。
今年の受験者数、約5万3千人。
単純に考えて、約1万人の生徒が、私立の中学校には入れないのが現実です。
初めて受験するご父兄に向けて、私が今年の50名の受験生のそれぞれの結果から改めて感じたことを、
特に「併願パターン」に絞ってお伝えします。
合格を勝ち取るためには、もちろん成績が良くなければならないのですが、受験は水物です。
いくら成績が良くても併願パターンを失敗すると、哀しい結果に終わってしまうこともあります。
例えば、 通常の授業で、成績優秀なA君はB君に負けた事がありません。
A君の第1志望は御三家。B君の第1志望は早実。
入試結果はB君は第1志望の早実に無事合格。
A君は第1志望に不合格。続く2/2、2/3も難関校を受験して、不合格。
結果的に第4志望の偏差値50の学校にしか合格できなかった、・・・・ということも、普通に起こりえます。
成績が良い順に、偏差値の高い有名校に入れるわけではありません。
併願パターンについての留意点
偏差値だけみるのではなく、校風や相性、通学などの要素を考えながら、難易度に差をつけて
「チャレンジ校」と「実力相応校」と「抑え校」を受験していくのが基本ですね。
その他の考慮しておきたい留意点を3つほどお伝えいたします。
ダメでも、本番で奮起できる性格であればいいのですが、やはり自信をつけさせてあげたいですね。
2月4日以降の受験は、通常すごい倍率です。
各学校からすれば、2回目以降の募集となり、募集人数が少ない上に、成績上位者で2月初旬の受験で良い結果が出なかった人が、少ない枠に押し寄せてきます。
かなり厳しい入試になる事は、覚悟された方が良いでしょう。
また、できるだけ避けたい事ですが、知っておいて頂きたいのは、
もし2/1から2/3まで、連続で不合格だったとしたら、お子さんは2/4の試験を受ける気がなくなる傾向があります。
(これは、経験したご家庭でないと分からないつらさですね・・)
そうです、「また不合格になるのが怖い」のです。
お子さんは気持ちによっても随分テストの出来具合が違ってきますので、無理やり行かせたとしてもかえってマイナスになることもあります。
そうなると、気持ちを落ち着かせるために4日は試験をお休みして、最後の5日の試験に賭けるといった処置になってしまいます。
何としても、その学校に入りたい。しかし、1回目の試験で不合格だった。
当然、その学校が複数回の受験をしていれば、2回目、3回目の受験で再チャレンジと考えるでしょう。
もちろん、可能性が無いわけではないし、1回目に失敗して2回目以降で合格すると、とってもドラマティックで合格したときの嬉しさもひとしおです。
しかし1回目で合格できなかった学校をもう一度受けて合格する可能性は、かなり低くなります・・・(-_-)
通常お子さんは不合格になると思って受験はしませんから、不合格という現実が突きつけられたとき、とっても苦しいんですね。
ましてや それが連続で起こると・・・
それでも連続して受けるとすれば、
というぐらいの、ある面、開き直った心持ちが必要です。
あとは、ご家庭の価値観や経済的な問題があると思いますが、やっぱり どこも合格できなかったということのならないようにしたいですね。
不合格が続いてふさぎこんでいるお子さんの顔を見るのは やっぱりつらいですから・・・
志望校の絞込みを慎重に行いつつも、やっぱり合格の確率を上げるのは成績ですから、成績向上に向けてこれからも頑張っていきましょう!
コメント
実体験による貴重なご意見をありがとうございました。
受験が終わっての感想です。
来年度受験のかたがたはまったく理解の外でしょうが 四谷偏差値で60以上のお子さん以外、できればチャレンジをお考えにならないで
お子さんの偏差値と同等の学校に絞って受験対策(過去問)をなさると良いと思います。
やはりチャレンジ校の受験をしてしまうと子供の実力以上の難問を解く練習をしなくてなりません。
それをしてしまうと適正校の問題を確実にすることが出来なくなります。
愚息も受験ぎりぎりまで第一志望にしがみついておりましたが 結果、第3志望の学校に決まりました。
そこには行かないというかな・・と思っておりましたが 意外にあっさり進学を決めておりました。
ですので親御さんが主導を取って秋以降の偏差値適正校(50でしたら45ぐらいまで)を数多く受験なさることをお勧めします。
やはり適正校からの合格をもらうことが受験の成功だと思います。
また説明会に行くことができればベストですが、少しでも気になる学校の願書は取り寄せておきましょう。
(子供が受けないといってもです)
×が続いたとき取りに行くのは結構つらいものですよ。
以外と盲点なのは学校までの距離です。
『近くに気に入った学校がない』ということもあるかと思いますし 憧れの学校もあるでしょう。
でもその学校のすばらしさを享受できるのは 通学時間が短いお子さんだけです。
部活もあるでしょう。補習もやってくれるかもしれません。
でも朝練に参加するには5時おきではすぐに無理が来てしまいます。
やはり40分程度が妥当な距離だと思います。
『行き』は時刻表をみて時間を合わせていくので1時間でいくというところも『帰り』は思わぬ乗り継ぎの悪さで 1時間30分以上かかってしまうということもあります。
今年は中堅偏差値の学校が本当に激戦でした。
「ずっとあこがれてきた学校だから・・」
としてもやはり偏差値を超えての合格はないと思われた方がよいでしょう。(私の周りには誰もいません)
どうぞ堅実に冷静に来年度の受験をなさってください。