「大学受験では絶対にMARCH以上に合格する!」
Kさんが中学受験が終わった卒塾の時に残したメッセージです。
Kさんは、プライドの高い女の子でした。
塾でも最上位クラスをキープし、御三家中学を目指していました。
しかし、2月の本番受験。残念ながら、第一志望は不合格。
1月の埼玉受験で合格していたので、その後もチャレンジ。
ところが、2月2日、3日と続けざまに不合格。
Kさんのプライドは打ちのめされ、泣き崩れ、もう受験する気にもなれません。
最後の希望を、と願い、打ちのめされた心を奮い立たせて臨んだ4日の受験。
残念ながら、トドメを刺されてしまいました…
本当に散々な中学受験だったんです。
私も力の無さを痛切に感じ、非常に反省しました。
とても苦い思い出の一つとなったのです。
受験後に、その子に対して、「人生の成功する機会はまだこれから先いくらでもある。」といった旨のメッセージを渡したのを覚えています。
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数年経って、塾にある女性が訪ねてきました。
「私の事、覚えてますか?」
正直、最初は誰か分からなかったのですが、名前を聞いて、
「あぁ~~!! Kか!」
そうです。散々な中学受験だった、Kさんでした。
そんなKさんが、大学受験を終えたのです。笑顔で教えてくれました。
「●●大学に入学しました!」
大学受験では、満足した結果を見事残し、東京六大学の一つに入学した、というのです。
Kさんは、中学受験で失敗したのをバネにして、見事にリベンジを果たしたのです。
多くの人が、一度大きな挫折を味わうと、普通は諦めてしまいます。
立ち直るのに相当の時間がかかるでしょう。
そして、立ち直ったとしても、再度チャレンジしようという気には、なかなかなれないものです。
「受験なんて、勉強なんて…」と放り投げて、遊びに走る、といった心境になってもよさそうです。
でも、Kさんは中学高校と、長い通学時間を逆に利用して、電車の中でコツコツ勉強し続けたそうです。女の子なのに、周囲の目など全く気にせずに。
そうした努力を見事結実させることができました。
成長して青年になってから得た勝利感だけに、よりうれしかっただろうと思います。
もちろん、学歴が全てだとは思いません。大学名がうんぬんというわけではなく、
『目標に向かって努力をし続けた事』がえらいなぁ、と思うのです。
中学受験は、大きなイベントです。
でも、飽くまでも人生初期の通過点でしかありません。
Kさんは、中学受験で大きくつまづいてしまったけれど、それをバネにしていくことができました。
それは、私としても凄くうれしいことでした。
もちろん、中学受験で成功を味わってもらうに越した事はありません。
でも、もし中学受験で成功を得られなかった方にも、決して希望を失って欲しくないなぁと思うのです。
子供たちの人生、まだまだこれからですからね。