今回は、私のブログ愛読者の方からの投稿文を紹介させて頂きます。(掲載許可を頂きました)
今春受験を終えた息子さんを持つお母様から、中学受験に臨む上での苦労と葛藤が綴られた体験談です。
少々長文ですが、胸にグッときた体験談なので、ゆっくりお読みくださいませ。
************************ 2年間にわたりブログを愛読させていただきました。 2013年度受験終了の母です。
我が家の受験は、 本人にとっても、家族にとっても 厳しく、
そして、満足がいくものになりました。
息子は地域の中堅塾に小5から通い始めました。 (最終的な偏差値はY61でした。)
やや遅いスタートでしたが、Y63の目標校に向けて、本当に頑張っていました。
しかし、小6の7月初旬、学校の宿題を忘れたことが原因で、担任から暴言を浴びせられました。
・お前は学校より塾のほうが大事なのか?
・中学受験がお前の頂点で、未来はない
・私立中学に行っても落ちこぼれるに決まっている
・どうせロクな大学にも行けない
・そんな奴は学校に来る資格がない、学校に来なくていい
メンタル面が強くない息子にとっては非常にショックで、学校に行けなくなってしまいました。
学校長とも面談し、何とか持ち直し、秋の修学旅行、運動会、学芸会・・・塾との両立をしながら、必死に頑張って登校していました。
しかし、11月下旬、学校の終礼のときに、担任からクラスの全員に向かって、
「○○君(うちの息子です)は、言葉に傷つきやすくてダメな奴・・・・・・」
と言われてしまいました。
息子はショックで学校にも、塾にも(同じ学校の子がいたので)行けなくなってしまいました。
「受験はしたい」という息子をどうサポートすればいいのか、本当に悩みました。
12月からは塾はやめて、家で勉強する日々でした。
私(母)もフルタイムで働いているため、満足なサポートもできません。
本当に、息子本人の自覚に頼る日々でした。
塾もやめてしまったため、的確なアドバイスもなく、冬期講習もなく、問題集と過去問を親の判断で続ける毎日・・・
本当に合格できるのか、周りの受験生に遅れをとっているのではないか・・・・
本当に不安な日々でした。
1月受験=1勝1敗でむかえた、2月1日。
第一志望(Y63)受験に向かう息子は、どことなく、不安定で浮き足立っていました。
私も気づいてはいたものの、落ち着かせるノウハウもなく、ただもう息子を信じるしかなく、せつない朝でした。
2月2日、第二志望(Y60)の受験、 続いて午後受験(Y53)に行きました。
昨日の第一志望(Y63)は不合格。
その夜、ネットで発表になった第二志望(Y60)も不合格。 さらに、午後受験(Y53)も不合格・・・
2月2日までで、三連敗となりました。
2月3日は、2校出願していました。
A. 第一志望の2回目(Y68) (⇒御三家の押さえで偏差値があがるため、2月2日までに合格が取れることが、ここの受験の条件でした。)
B. Y49の学校
三連敗となった2月2日の夜、3日はA・Bどちらを受けるのか、悩みました。
しかし、本人の人生なので親が決めるべきでない、と考え、息子に選択を委ねました。
息子はしばらく考え、
「2年間第一志望にむけて頑張ってきた。受験しなければ、合格の可能性はない。 後悔したくないから、第一志望校を受験する」
と言いました。
3日に第一志望校の2回目を受けました。
そして4日は第二志望校の2回目(Y59)の受験です。
5日(Y49)、6日(Y53)に出願してはいましたが、4日の朝まで、合格が取れなかったことは、本当につらかったです。
4日になると受験生もぐっと少ないんですよね…。
メンタル面が弱いと思っていた息子ですが、弱音もはかず、試験会場に黙々と向かいました。
会場で別れるとき、「頑張ってくるね」と私をまっすぐに見て、手を差し出しました。
握手した息子の手はまだ小さくて、あらためて、
(まだ12歳なんだ、こんな小さな子が精一杯頑張っているんだ…)
と思いました。
私は いてもたってもいられず、その足で湯島天神に向かい、
「良いご縁がいただけますように、 運がありますように・・・」
と必死でお願いしました。
4日の試験が終わり、昼食を食べ、息子と共に昨日(3日)の第一志望校の合格発表に向かいました。
私は校門で待っていて、息子だけが見に行きました。
出てきた息子は両手で大きく×(バツ)をしました。
不合格でした。
駅までの道すがら、ずっと沈黙の息子を見ると、目に溢れんばかりの涙をためています。 「悲しかったら泣いていいんだよ・・・」と声をかけると、私の背中をタオル代わりにして、声を押し殺して、泣いていました。
不憫でした。
学校で担任から暴言を浴びたときも、テストがうまくいかなくてクラス落ちしたときも、模試で失敗して親に怒られたときも、決して泣かなかった息子なのに・・・・・・
帰りの電車の中で、
「帰ったら、明日(5日)受験の過去問、やろうね」
と 四連敗なのに、前向きの息子を見て、本当に本当にせつなかったです。
翌日(5日)試験の過去問をやりながら、今日(4日)受験した第二志望校のネット合格発表を待ちました。
夕飯も喉に通らず、ドキドキしながら、発表時間を待ちました。
結果は合格でした。
実質倍率4.5倍の厳しい受験に合格した息子。
親子3人抱き合って嬉し泣きしました。
3日、4日の息子の真剣な面差しは、親にとって生涯忘れられない素晴らしい記憶になりました。
頑張ってくれた息子の、4月からの中学生活が幸多かれと願っています。
どなたかに、この想いをきいていただきたくて、メールしてしまいました。
私たちの体験が、少しでも参考になれば幸いです。
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私は、読み終えた時、涙が出そうになりました。
息子さん、そして息子さんを支えたお母様。
支援のない中、ご苦労が本当に多かったことと思います。
そして、つらい思いをされながらも、最終的に見事第2志望校に合格できた息子さん。
本当によく頑張られたと思います。
受験を終えられた各ご家庭には、それぞれ様々なドラマがあったかと思います。
良かったこと、辛かったこと、上手くいったこと、失敗してしまったこと、
中学受験は親子で立ち向かわなければならないため、本当に色んなことがあったかと思います。
改めまして、本当にお疲れ様でした。
願わくば、大変だった受験を通して、いいことも悪いことも色んな経験をして、お子さんも一回りも二回りも成長されるキッカケとなってくれるといいですね。
お子さんたちの人生はまだまだこれから。
これからも受験の経験をプラスに変えて大きく成長していってもらいたいですね。
私の担当生徒のお母さんから言われました。
「先生たちは、こんな大変なことを、また来年もやるんですか?」
大変なんですけど、そのつもりです…(^_^;)
未来のために頑張れる仕事は、大変でも、安月給でも貴重な仕事なんだ、と思っていますから…
皆様からの体験談も募集しています。
makishi0509●yahoo.co.jp