J君は、大人しい男の子。
独りっ子で甘やかされて育ち、あんまり根性がありません。
ついつい勉強も怠けがちで、流されやすいタイプです。
そのためなのか、成績も6年生の夏から停滞していました。
入試直前期は、J君もJ君なりに頑張りました。
そして、いよいよ迎えた入試。
● 2/1の受験 押さえ校に合格。
でも、2/2の第一志望校合格のための練習校です。
ここは合格して当たり前。
● 2/2の第一志望校 不合格。
同じ学校を受験したクラスメイトは何人も合格しているのに、J君はその仲間に加われませんでした。
担当講師の励ましを受け、2/3に再チャレンジ。
当然ながら、2/2以上の高倍率です。
● 2/3の第一志望校2回目 不合格。
8倍を超える受験。
J君には厳しい受験でした。
塾にこもって、出来る限りの対策勉強。
去年は3番手クラスの生徒が合格しているから、十分見込みがあります。
● 2/4 不合格。
入試前には一杯だった自習室も、さすがにこの時期には2、3人になっていました。
合格報告をしているクラスメイトを横目で感じながら、J君は寂しい自習室でやるだけのことをやりました。
● 2/5 不合格。
もう、かける言葉が残っていませんでした。
明らかに”併願パターン失敗”の文字が脳裏に浮かびます。
4連続の×は、通常なら立ち直れないほどのショックのはずです。
しかし、J君は当初の予定通り、2/6の受験をするといいます。
しかも4日に不合格だった学校。6日は更に倍率が上がります。
せめてもの救いは、2/1にきちんと合格を取っていることでした。
ここで合格していなかったら、絶対にここまで受験をすることは出来なかったでしょう。
そういって送り出したものの、担当の誰もがJ君の合格を信じてやることが出来ませんでした。
● 2/6 … 合格!!
うれしそうなJ君。
最後の最後に笑うことができました。
J君のお母さんも、そして担当講師も 涙を流しました。
周りの大人があきらめかけていたのに、 J君自身は決してあきらめていなかったのです。
おめでとう、J君!!
残念ながら、第一志望に合格できなかったけれども、この受験を通して、J君は貴重な人生の経験をすることができたのではないでしょうか。
もう甘ったれのJ君ではなく、立派な一人前の中学生に成長したJ君でした。
我々講師も色々と教えられた、J君の受験でした。
コメント
>ところで、うちは地方なので受験は1校につき一回だけなのですが、首都圏では何度も挑戦できるのですか?
>併願が多いため、人数が流れた分をさらに追加募集するということなのですか?
その通りです。
通常後半の方が募集人数が少なくなりますので、倍率が高くなるというわけです。
チャンスも増えますが、ショックも2倍になる可能性もあるんですね…
この時期、受験生のみなさんの頑張りを先生のブログで読んでいると、自分の子供でもないのに、胸が熱くなります。
まだ12歳なのに、本当に色んな事を考えて、頑張っているんですね。
ところで、うちは地方なので受験は1校につき一回だけなのですが、首都圏では何度も挑戦できるのですか?
併願が多いため、人数が流れた分をさらに追加募集するということなのですか?
同じところをもう一度挑戦出来るというのは、チャンスが増えると言う事ですよね。
けれど、もしかしたらもう一度不合格で更にショックを受けることにもなるのですね。
大人でもなかなか厳しい状況ですね(笑)。
首都圏のお受験は併願パターンなども複雑なようですね。
同じお受験でも、地方と首都圏では、雰囲気が全然違うのだなあと思いました。
逆に首都圏の厳しい受験を乗り越えた子達と今度は大学受験で闘う事になるわけですよね。
ん~~、これはなかなか強敵ですね。