(カンニングについて①の続き・・)
カンニングは、いつも子供達のすぐそばに潜んでいる誘惑であると言うことをお話しました。
さて、カンニングが判明した時、講師は保護者にどう対処すると思いますか?
実は、保護者には伝えないことが多いのです。
これは、むしろベテランの先生の方が伝えない傾向があると思います。
理由は、保護者が取り乱すからです。
昔の話ですが、こんな事がありました。
ある若い講師が正直に、娘さんのカンニングを親御さんに報告しました。(私じゃないですよ)
しかし、その親御さんは、「うちの子がカンニングなんてするはずがない。娘に問い正したが、『やっていない』と言っている! 証拠はあるんですか?」
(なかなか子供が自分の非を認めるのは難しい事ですよね・・。親御さんとしても、お子さんが不正行為をしていたというのは、まるで自分が悪い事をしたように思ってしまい、やはりプライドが傷つく方も多いのです。)
カンニングを実際していたことは、講師には分かるのです。
しかし、その時は、証拠を見せろと言われても、怪しい行動を見ただけでしたので、ありませんでした。
親御さんは我が子可愛さゆえに、娘さんの証言を信じてしまいました。
若い講師は、正義感から、
「絶対やっていたはずです」などと反論してしまいました。
そうなると、水掛け論になります。
親御さんは怒って、
「知り合いに弁護士がいる。裁判に持ち込むぞ!」
と、騒ぎが大きくなってしまいました。
結局、校長と講師が揃って ご両親に頭を下げに行ったのです。
気まずくなり、生徒も塾を辞めてしまいました。
極端な例ですが、こんな問題にまで発展してしまうことが実際にあるのです。
何で塾で起こっていることを正直に話してくれないのと、お思いになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、講師としても、あまり突っ込みたくない難しい問題であると、ご理解ください。
普段から信頼関係がある保護者の方には、正直に話すこともあります。
こんな事実がありましたので、このままだと成績が下がってしまいますから協力して対応していきましょう、と。
やはり講師と親は、信頼関係が大切だと思います。
成績がなんだか不振状態であり、心配であれば、逆に保護者の方から担当に、
「うちの子がカンニングしているようなことはありませんか?」
などと聞いてみてもいいかもしれません。
実際の講師の対処法としては、①で述べたように、席を変えたりして物理的に不正行為を行えないように努めつつ、本人に直接的、あるいは間接的に悟らせるように、継続的に意識改革を促していくようにしていくのが多くの対処法となります。
そもそもカンニングなど起こる気がないように、ご家庭でも結果のみならず、結果以上に普段の努力を褒めてあげて下さいませ。
努力を認められる子は、きっともっと努力をしてくれるはずですよ。