集中力をつける その④ からの続き
中学受験というのは、どうしても各教科に対してバランスの取れた学力を要求してきます。しかし、長い人生を考えると、
「人に負けない得意分野がある」
ということが、とても尊い才能である事はご存知だと思います。
発想力の高い子に多い特徴です。
テスト結果のバランスが悪かったとしても、得意分野は前向きに褒めてあげたいですね。
色々な考えを深めていく発想力は、そのまま集中力につながります。
そもそも偉大な学者さん達は、他のことに無頓着だったとしても、自分の得意分野には徹底した集中力を発揮しますよね。
大発明家のエジソンは、小学生時代に教師に見放されて、小学校を中退してしまいました。(現代日本ではありえないでしょうが・・)
しかし、母親の深い愛情と、教育のおかげで、発明に興味を持つようになったのです。
子供の頃の親の教育というのは、やっぱり大切ですよね。
とことん突き詰めて考え抜く事で、今まで気が付かなかった事にも気付くことがあります。
そんな知的体験が、受験勉強においても、その子の大きな原動力となるでしょう。
発想を広げるヒントは頭の中で考えるだけではなく、紙に書き出してみるなど、一度外に出してみることです。
他の算数講師もそうだと思いますが、私は、
「文章題は必ず図を書くんだよ」に始まって、しつこく、
「算数はお絵かきだよ」とか
「算数は手にも脳みそが入っているんだ。だから必ず図を書いて手と頭の2つの脳で考えるんだよ」
などと、「図を書いて考える」ことを習慣付けをさせます。
それは、算数的発想力を磨くためです。
また、考えを人に話す事も大切です。
子供が自分の興味あることについて話をし始めたら、出来るだけ相手をしてあげましょう。
質問などもしてあげて、発想を広げる手助けをしてあげることができます。得意分野を伸ばす事にも繋がります。
また、一般的にパズルや囲碁・将棋など、頭を使う遊びは、発想のトレーニングのようなものです。他人との駆け引きも発想力を鍛える事になります。
一方、テレビゲームは集中力という意味ではお勧めしません。
場面展開や音響など過剰な演出で夢中になりますが、これは”集中させられている”だけに過ぎないのではないでしょうか?
”ゲーム脳”などと、思考障害に繋がる脳への悪影響を指摘する学者もいます。
感覚が麻痺して、読書でじっくりと活字を追う、自分で集中力をコントロールしながら勉強するといった努力ができなくなってしまう恐れがあります。
日々のコミュニケーションや知的体験の積み重ねで、少しずつ集中力を磨いていきたいものですね。