今回は、ちょっと外れて防災の話です。
あの震災から、丸2年が経ちました。
被災された方々、関係者の方々には改めて頭を下げる思いです。
あの時に感じた恐怖感と緊張感…
私も被災地を訪れ現地の状況を目の当たりにしたときには、ショックを受けました。
しかしながら、時が経つといつの間にか気持ちに甘えが出てきてしまうものだと思います。自戒の念を込めて…
ちょうどテレビでも震災特集が組まれている中ではありますが、今一度気持ちを引き締める必要がありそうですね。
2万人以上の死者・行方不明者を出した東日本大震災。
しかし、岩手県釜石市立の14の小・中学校全校では、学校管理下になかった5名を除く、
児童・生徒約3,000人が全員無事だったそうです。
「釜石の奇跡」と呼ばれたこの事実。
ご存知の方も多いかもしれませんが、この奇跡が起きた背景には、
『津波てんでんこ』という『教育』がありました。
『津波てんでんこ』とは、津波がきたら、てんでんばらばらに逃げないと家族や地域が全滅してしまうという東北地方に伝わる教訓です。
津波襲来のたびに、家族の絆がかえって一家の滅亡を導くという不幸な結果が繰り返されてきた時代的背景が、この教訓に結びついたそうです。
釜石市内の小・中学校では、年間五時間から十数時間の防災教育の中で、
この『津波てんでんこ』の教育を徹底していました。
「地震が起きたら、すぐに高台に逃げるんだ。お父さんやお母さんを待っていてはいけないよ。
自分自身の足で一人でも逃げるんだよ。」
また、その教えを子供たちだけに教えていたわけではありません。
「学校で地震が起きたら、君たちは逃げるだろう。
でも君たちのお父さんお母さんはどうするだろう?」
「お家に帰ったら、『いざという時は僕は一人でも逃げるから、お父さんお母さんも必ず逃げてね』
と、心から信じてくれるまで、ちゃんとお父さんお母さんにも伝えるんだよ。」
父兄にまで浸透するように徹底して教育していたんですね。
親の立場から考えると、つい心配で子供の身を案じて学校に迎えに行ってしまうかもしれません。
津波てんでんこの教えは、自分の命は自分で責任を持つ、という教えとともに、
家族同士が「必ず自力で逃げてくれている」という絶対的な信頼関係を普段から築いておけ、
という教訓もあるそうです。
いざという時には、(我が子は必ず逃げていてくれている)という信頼関係のもと、親も勇気を持って逃げるのです。
実際、生き残った約3000名の小・中学生の親たちを調べてみると、亡くなられたのは40名程度で、
市内全体の死者約1300名から見ても少ない数でした。
生きるか死ぬか、という命に関わる津波の話ですから、受験とは比べ物になりませんが、
合格か不合格かという ”切羽詰った緊張感”を感じる部分では、多少共通する部分もあるかもしれませんね。
結局子供たちは、いざ受験、というとき、『普段の教育』が影響して行動してくれるはずです。
津波の怖さを知らない小学生。
受験の怖さを知らない小学生。
日常の甘さに流されないように、早いうちからしっかり自立していくように指導していかないといけませんね…(^_^)
さて、今年度も頑張らなくちゃな…