今回は、算数の入試問題にとりかかる際の心構えの話です。
以前の教え子で、小6の志望校判定模試では算数の偏差値が65以上をとっていたS君という生徒がいました。S君は優秀な生徒で、もちろん最上位クラス生です。
そのS君が、第一志望の学校別判定模試を受験しました。
入試問題そっくりに作られた模試です。そのテスト結果が驚愕…
60点満点の算数。なんと、0点でした…(@_@)
もちろん普通の志望校判定模試とは違い、最難関校の問題で、60点満点の平均点が20点未満の難しい問題です。
それにしても、0点ではお話になりません。
通常、できる生徒が考えられないヒドイ点数をとった時に考えられるのが、テスト中に具合が悪くなったとか、眠くなってうつらうつらしていたら、いつの間にか時間が来てしまったとか、…
まともに問題に向き合っていなかった事由が考えられます。
しかし、S君は いたって真面目に問題に取り組んでいたのです。
原因は、ストッパー問題に引っ掛かったことでした。
大問1の(2)の問題が、ものすごく難しい問題だったのです。
通常の志望校判定模試なら、大問1や2など簡単です。だから、大問1や2を確実に解くことが高得点への必須条件です。
ところが、実際の難関校の入試問題では、敢えてそれを逆手に取り、わざと大問1や2の中に、やたら難しい問題が入っていることがあります。
大問1,2は解き切らなきゃと思い込んだ生徒が、その難問にまともに立ち向かい、物凄く時間を費やしてしまいます。
これが、ストッパー(STOPさせる)問題です。
そして、時間を費やしてしまったことに焦って、後半もボロボロになっていくのです。S君の失敗は、ストッパー問題に引っかかった典型でした。
全ての学校にストッパー問題があるわけではないのですが、やっぱり苦手な問題に時間をかけすぎても仕方ないですからね。
難関校の入試本番では、算数で100点とろうとすれば落ちる。
出題された中から、捨て問を素早く見抜き、いかに7割以上の答案を作り出すか?
それを意識させ、実践させることが大切です。
ちなみに、算数が苦手な子達の前でこの話をすると・・
「全部、ストッパー問題なんですけど!!」と、元気の良い返事が…(-_-;)