現場の講師と、入塾を勧める経営者(塾長・校長・室長)と意見が食い違うことがあります。
それは、「新入生をどのクラスに入れるか」という場合です。
新しく塾に通うにせよ、転塾にせよ、入塾テストや体験を経て入塾に至ります。
同じ学年にクラスの数が多い場合、通常本人の学力に応じた適正なクラスに新入生として配属されます。
ところが・・・、です。
上位のクラスを担当している時に、なぜか実力不足の子が新入生として入ってくる場合も時々あるのです。
そこには以下の思惑が働いています。
経営者「何とか入塾させたい」
保護者「できるだけ、レベルの高いクラスに入れたい。その方がいい先生に当たるだろう。」
経営者が本人の学力が下位クラスレベルだと思って、適正に下位クラスから入れようと思っても、不安が訪れます。
他の塾と比べられている場合、保護者が他塾だと上位クラスから入れると言われたのに、この塾だと下位クラスだった。 だったらこの塾はやめよう。
なんて保護者が思ってしまうことを、経営者は恐れてしまうのです。
つまり、保護者のニーズと経営者のニーズが合致して、お子さんを上位クラスに入れるという結果に落ち着くのです。
その結果、「実力に満たないのに」お子さんのレベルよりも高いクラスで入塾が決まってしまうことがあります。
もしそうなってしまった場合、お子さんにしわ寄せがきます。
授業が早くてついていけない。 分からない。宿題も多い。
2、3ヶ月経つと、結局クラス分けのテスト結果も及ばず、下のクラスに下がるという苦い経験をしてしまいます。 お子さんも、保護者の方もモチベーションが下がってしまうことも。
逆に、きちんと土台を固めるために下位クラスから入塾すると、最初は宿題も適正な量、慣れない通塾に慣れ始め、授業も基本を中心に進めてくれるので段々理解してくる。
力のあるお子さんは、数ヵ月後にはクラスも上がり、合わせてモチベーションもアップします。
経営上の問題、保護者の皆さんの思惑はあるでしょう。 また、入塾の時期や転塾の都合によっても考え方は違うとは思います。
ただ、現場の講師から言わせてもらうと、お子さんのためにも無理のない適正クラスからの入塾が、やはりお勧めです。
コメント
>一番大切なのは、何が一番子どものためになるかですよね。
そうですね。
「子供のため」イコール「そのまま子供の要求を飲むこと」ではないことも難しいところなんですが。
なるほど、経営者側にはそんな思惑があることがあるのですね。
娘の通う塾は、塾の公開テストを受けたあとの入塾ならその成績に合わせたクラスに、体験のみで入塾の場合は無条件で最下位クラスからのスタートになります。
娘は体験のみでしたので、最下位クラスでスタートでしたが、まず、上のクラスに入れることを目標にやっていました。
一ヶ月で上のクラスにあがれたのですが、欲を出してYTクラスへの移行を打診したところ、やっと慣れてきたところでYTクラスへの移行は娘にも負担がかかるとやんわりと制止されました。
塾としてはYTクラスの方が月謝も高いしありがたいのですが、娘の今後を考えると、もう少し今のクラスで力をつけた方が良いといわれました。
その時、私は
「この塾は信頼できる!」
と確信したのです。
それ以来、どんな些細なことでも先生に相談し、アドバイスに従っています。
今ではあの時強引にクラスを変更しなくてよかったと、考え直させてくれた塾に感謝しています。
一番大切なのは、何が一番子どものためになるかですよね。