苦手科目の克服・・・ 「それができれば、苦労しないよ」
ご家庭や、我々講師も含めて関係者から聞こえてくるようなため息ですが、諦めてしまっては、合格できるものも、できません。
そもそも人間には、それぞれ個性が与えられていますから、得手不得手が出てくるのは、当たり前の事です。
ところが、それを認めたくない親の心も、ますます苦手科目を苦手にさせている原因にもなっています。
そこで、苦手を少しでも軽減させるための対処法を挙げてみました。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉がありますが、例えば算数の全てが出来ないわけではないのに、「算数嫌い」と結論付けてしまっている事が多いです。
ちょっとしたことで、「あの人嫌い」と完全に人格否定してしまうのと同じですね。
それ故に、家庭学習でもついつい後回しにしてしまって、 宿題もおろそか。
ますます成績が悪くなるという悪循環に陥ってしまっている事がよくあります。
そこでまず、簡単な問題をやらせてみてください。
そして、「できるじゃないか」と、褒めてあげる事が大切です。
子供は「これくらいはできて当り前だよ」と言うかもしれませんが、出来る部分をまず認めて、自信を少しずつ回復させていくことが大事なのです。
苦手科目に対して、親から、「お前は算数はだめだな~」などと言ってしまっては、ますます苦手意識を強くして、やる気をなくすことを助長させてしまう危険があります。
一緒に克服していこうという姿勢を持っていきましょう。
家庭学習の出来具合やテストの成績帳票などを見る中で、出来るところと出来ていないところを分析して、例えば、
「苦手な算数も、計算や図形は出来てるね。あとは速さと割合の問題を克服できれば、あと20点は上がるよ」
などと、希望を持たせるように課題を伝えましょう。
個別指導や家庭教師であればベストですが、カリキュラムに縛られた大手塾だったとしても、担当講師に分析結果を伝えておくと、講師も意識してくれるはずです。
③ 過去の自分と比較させる
いくら周りの子達と比較しても、その科目が得意な子にはかないません。それでいいのです。
目標は志望校の入試合計点で合格ラインを超えればいいのです。過去の自分と比較させましょう。
「速さの問題も3ヶ月前と比べると随分出来るようになったね。」
子供は成功体験を積み重ねると、夢中になります。
苦手科目だったものが出来るようになってくると尚更です。
「先生~、奇跡だよ奇跡!算数でこんなに点数取れたよ」
・・昨年担当していた算数苦手な女の子の声です。効果が現れてきたら、ぜひ大げさに褒めてあげてください。
「教育は忍耐」です。親がイライラしている様子は、子供にとってマイナスにしかなりません。
先の声をあげた女の子は、以前はクラスでビリで、泣いていた子です。
すぐに効果が出てこなかったとしても、じっくり腰を据えて継続して対応していく事で、徐々に必ず効果が現れてきます。頑張っていきましょう。